ここ最近、首都圏のスーパーや量販店でよく見かけるようになった「とり野菜みそ」という鍋スープの素がある。ややレトロなイラストのパッケージが特徴で、人気漫画家・東村アキコ氏が出演するCMも放送中なので、見たことがある人もいるかもしれない。 このとり野菜みそを作っているのは石川県かほく市の食品メーカー「まつや」。石川県で鍋といえば、とり野菜みその名がまず挙がるほど、県内では人気が高いのだという。 筆者も早速購入し、鶏団子を入れて食べてみた。だが、これといったインパクトもなく、ごく普通のみそ味の鍋という印象で、「なぜこの味がこれほどまでにウケるのか」と、謎は深まるばかりだった。この“謎のみそ鍋”が県民に支持される理由、さらに首都圏で急激に勢力を伸ばしている理由を探った。 とり野菜みその「とり」は「鶏肉」ではない まつやの松本啓志社長によると、とり野菜みそのルーツは江戸時代までさかのぼる。廻船問屋を