秋田寛の仕事が一冊の本になりました。 街中でよく目にする紳士服の「AOKI」のロゴマークや、四季劇場のロゴタイプ、新国立劇場やギャラリー間などの告知ポスター、インテリアデザイナー・杉本貴志と組んだPARK HYATT SEOULや藤田克美と協働した箱根ラリック美術館のサイン計画など、場所、素材、スケール感の違う仕事が、秋田寛のコメントとともに、ぎっしりと詰め込まれています。 「紙はデザインを定着させるためのベースではなく、デザインを構成しているひとつの要素」というグラフィックデザイナーの本だけあって、カバー、表紙、本文、本文色紙と四種類の紙が贅沢に使い分けられていて、なみなみと注がれたインキともども、手にしたときの肌触りから頁をめくるたびに変化する紙の質感を味わうことができます。 著者の仕事の中で、もっとも身近なのは、やはりブックデザインです。 ドギモを抜かれた『ルイス・バラガンの建築』を