5月11日、WHO(世界保健機関)は「Tobacco use and COVID-19」と題する声明を発表1)。4月29日に招集した公衆衛生専門家らによる研究レビューの結果、喫煙者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかると、非喫煙者に比べて重症化しやすいことが明確になったとして、ニコチン置換療法など実績のある禁煙法を使って直ちに喫煙を止めるよう警告した。 喫煙とCOVID-19の重症化との関連性については、今年2月に世界で最も権威ある医学誌『The New England Journal of Medicine』で、中国約1000人の患者データの分析から「喫煙者では人工呼吸器が装着される、または死亡するリスクが非喫煙者の3倍以上」2)と報告され、この結果はメディアにも取り上げられ話題になった。その後、中国武漢の3次病院の入院症例78症例で悪化した群と改善・安定した群を分け背景