南仏トゥールーズにあるエアバス本社には、同社初の旅客機であるA300やコンコルドをはじめ、世界各国の名機の退役機を展示した文化遺産ミュージアムがある。史上初のジェット旅客機である英国製デ・ハビランド・コメットが事故で退役して以来、世界の空を独占する勢いだったアメリカ航空機産業に、ヨーロッパは大型化と高速化の2方面で対抗を図り、大型化はエアバスを、高速化は超音速旅客機コンコルドを生み出した。エアバスの文化遺産ミュージアムでは、この2機の機内見学ができる。 超音速旅客機コンコルド 商業的には失敗に終わったとはいえ、コンコルドが民間航空機の歴史に大きな足跡を残した機種であることは間違いない。フライ・バイ・ワイアパイロットの操作を、電気信号で翼などに伝える操縦システム)、機体・窓ガラスの耐圧・耐熱加工など、コンコルドに投入された技術は、その後のエアバス機にも生かされている。 マッハ2以上の速度を生