円安でスマートフォンの価格が急騰し、販売が大幅に伸び悩んでいる日本市場。だがそうした状況下にもかかわらず、開拓に本腰を入れようとしている海外メーカーが増えている。「Nothing Phone」シリーズを提供している英国の新興スマホメーカーNothing Technologyの事例から、その理由を考えてみたい。 新興・後発メーカーが日本での体制を強化 市場の飽和、政府による値引き規制、半導体不足などによる部材の高騰、円安による販売価格の高騰――。日本のスマホ市場は今まさに「四重苦」の状態にある。そうした状況に国内メーカーが耐えきれず、2023年に相次いで市場から撤退したことは記憶に新しい。 だがそうした状況にもかかわらず、日本では中堅や新興と位置付けられる海外メーカーが、市場開拓に向けて力を入れている。代表例が、低価格の折り畳みスマホ「Libero Flip」などで攻勢をかける中国の中興通訊