滋賀県高島市の天神畑遺跡から出土した薄い木板の写経(室町時代後期)に、「見せ消ち」と呼ばれる誤字訂正の跡が見つかり、県文化財保護協会が19日、発表した。 見せ消ちは写経で文字を訂正する際、誤字を消さず、そばに符号などを記す手法で、飛鳥時代に定着したとされる。木板は法華経などを写しており、「他」の文字を書くところに「佛(仏)」と間違えて書いたため、左側に誤りを示す片仮名の「ヒ」に似た印を入れ、右側に「他」と訂正していた。 21日午前9時〜午後5時、滋賀県安土町の県立安土城考古博物館で公開。 宇都宮啓吾・大阪大谷大教授(書誌学)の話「誤字を削れないほど板が薄いため、見せ消ちで訂正したのだろう。僧侶が慎重に写経し、丁寧に訂正している姿がうかがえる」
太田川の河口を中心とする広島の市街地は、周りを山に囲まれています。かつて、山は、燃料や肥料を得るなど暮らしと結びついていましたが、今、市街地に暮らす人々の足は、山から 遠のくばかりです。一方、住宅地は山の中腹にまで広がり、人と山との距離は近づいています。 また、広島の山々は土砂災害が起こりやすい性質を持っています。そのため、太田川河川事務所では、災害を防ぐための様々な対策に取り組んでいます。その一つとして、みなさんにも、日頃から森林の様子や変化を知っていただきたいと考え、図鑑を作りました。それが、この森林の見方や楽しみ方、魅力を紹介する「広島西部山系植生図鑑」です。初めての方は、森林基礎講座からご覧下さい。
雑誌の黄帝紀年 ――旧暦新暦問題 樽 本 照 雄 清末民初小説目録を編集するとき、私が頭を悩ませたのは、旧暦新暦問題である。 辛亥革命によって中華民国が成立する。旧暦宣統三年十一月十三日を新暦1912年1月1日に切り換えた。これが原因となる。 清朝末期におびただしく創刊された雑誌群は、その発行年月を当然ながら旧暦で表示していると考えてよい。 ただし、中華民国初期には、旧暦を守って奥付に発行年月日を印刷するものがある。1、2ヵ月の時間的ズレは、文学研究には直接の関係がないと思われる。ゆえに、そこまで問題にする人はいない。 しかし、より正確な小説目録をつくることを目標にしている私には、これは小さくない障碍となる。 旧暦と新暦が混在しているから、両者併記を編集方針にする。正確に記述しようとして私があらためて遭遇したのは、黄帝紀年なのだ。 1 『清末民初小説目録』の編集方針
田中秀雄=著 46判上製/304頁/定価2100円/2010年1月 日本の朝鮮統治の歴史を公正に評価するための手がかりとなる力作評伝! ●日韓に「感動的な関係」があった 今年、二〇一〇年は日韓併合百年に当たります。本書はこの日本の統治時代に朝鮮金融組合理事として、疲弊した農村の振興に尽力した重松髜修の半生を丹念に追った評伝です。 明治二十四年、愛媛県に生まれた重松は、旧制松山中学を卒業後、明治四十五年に東洋協会専門学校(拓殖大学の前身)の朝鮮語科で学び、大正四年、朝鮮総督府の官吏(土地調査局)となります。その二年後、「感激性のある仕事がしたい」との思いから、農民のための金融機関、朝鮮金融組合に移り、理事として平安南道江東の寒村に赴任。大正八年に起きた万歳騒擾(三・一独立運動)のさいに被弾し右足が不自由になるも、私財をなげうって近代的養鶏を指導し、養鶏によって得た卵の売上を金融組合に貯蓄させ
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