白老町とゆかりの深い仙台藩士たちの「津軽海峡越え」をテーマにした、仙台藩白老元陣屋資料館の特別展が、16日から8月21日まで同館で開かれる。仙台市との歴史姉妹都市提携30周年事業に位置づけ、海図や航海の安全を託した絵馬など、道内外関係機関提供の資料を含め約40点が展示される。 主催は同資料館と町教育委員会。「荒波を越えて―備えと支え」と銘打ち、仙台藩士たちの前に大きく立ちはだかった津軽海峡、渡海の困難さを多彩な資料を通してひもとく。 「近世の本道と本州の関係を考えるとき、津軽海峡は非常に大きな意味を持っていた」。こう語るのは同資料館の平野敦史学芸員。一つには松前藩がアイヌ民族との交易を担っていたとき、全国各地の船が難所といわれる津軽海峡を往来。一つは蝦夷地のおよそ3分の1を守備範囲とするよう幕府の命を受けた仙台藩が、安政3年(1856年)に仙台から同海峡を越えて白老へと向かい、元陣屋を築