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ブックマーク / kuzan.hatenadiary.jp (11)

  • 大文字メモ - くうざん、本を見る

    享和二年に曲亭馬琴が大文字の火について書いている。 大文字火は十六日夕方より同時に火を点す、誠に一時の壮観なり。はじめに妙法の火、次に左り文字の大字、次に大文字なり。十六日昼より雨ふり黄昏に雨やみぬ。しかれども今夕大文字は火をともさず、十七日の夕火を点ぜり。その餘はみな十六日にてありし。昼より薪をつみをき、夕がた一時に火を点ず。当時は農民の山まつりなり、火を点すればみなあらそふて山を下る、もし久しく山にあるものはかならず病むといふ、陰鬼のおのづから集るにや。 羇旅漫録*1 http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/ru04/ru04_03377/ru04_03377_0002/ru04_03377_0002_p0021.jpg 妙法・「左文字の大字」・大文字と三つしか、ここには書いていないが、その前に、 おなしをりに船かたの火 ほの/\とあかしをともす夕く

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  • 大学略記について - くうざん、本を見る

    どこかに連れて行ってくれと言う子供と一緒に、古市場へ。 愉快な日語講座 作者: 添田建治郎出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/06メディア: 単行 クリック: 318回この商品を含むブログ (3件) を見るというのを見つけて購入。525円 そのなかに、 山口大学は「口大」なの? という項目があった。著者は山口大学教授。 http://kotobakai.seesaa.net/article/8173720.html この話題。 「文部省文書処理規程(昭和43年訓令1号別表1)」に従っている、ということでした。 これらの名称は、「略称ではなく人事関係文書記号である。」「学外からの文書を受け付けた時、学外へ文書を発出する時、学内の部局間のみで文書を発出したり授受したりする時などに、文書記号番号の一部(先頭に記載)として用いている。」とのことであった。当然、各大学独自の判断で名乗

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  • 新宣命書き - くうざん、本を見る

    くらいし・たけしろー「コクゴとカンジ」*1の表記は、仮名大書の宣命書きで、漢語を片仮名にしたものだと思っていたが、最後に編集部の附記があった。 大小とも同じ列になるやうにとのことでしたけれど都合でそこまで徹底した組方が出来ませんでした。 つまり、くらいし氏は宣命書きのように付属語を右下に書くのではなく、真下に書きたかったのであろう。 「なって」の「つ」も「て」も小さく右寄せしてあるのだが、促音の「っ」は右下希望だったのだろうか。 コクゴ・モンダイといえば、ホーメンがいろ/\あるよーにみえるが、いまモンダイになっているかぎりでわ、ケッキョク、カンジのことがチューシンであり、 上では、「なつて」の「つ」は促音用の文字を(フォントサイズを変えずに)。「て」はフォントサイズを小さくして*2書いています。 これ、倉石武四郎著作集にはいっていましたっけ。 宣命書きと言えば、 人類とぼけ―ぼけ研究の歩み

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  • 腹話術における唇音 - くうざん、本を見る

    腹話術において唇の動きを見せぬために、舌と上唇の裏をあわせて発音しているらしい。 NHKテレビにて、いっこく堂。 http://d.hatena.ne.jp/kuzan/20050512/1115899434 などでは、ナ行ア行タ行による「似音処理法」である。NHKテレビで映していたのも、多分、この。 鈴木松美氏*が音声分析をしていたのだが…… 〈舌と歯茎などで作る通常の舌音〉と〈通常の唇音〉と〈いっこく堂が行う舌と上唇による音〉を比較して示して欲しかった。 で、 今日知った、日音声学会による音声セミナーのお知らせに、 http://www.psj.gr.jp/seminars.html語の5母音が音響的にはどのように違うのか, 有声音と無声音とでは何が異なるのか, 破裂音「パ,タ,カ」では何が違うのか, 摩擦音や破擦音,鼻子音では何が違うのか,などを自分の音声を解析しながら学び

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  • 百科項目の下敷は? - くうざん、本を見る

    芳賀矢一『言泉』 あしや 蘆屋【名】〔地〕[一]筑前國遠賀郡にある町。[……] [二]攝庫國武津(ムコ)郡*1にありし里。古歌に月・螢の名所として詠ぜらる。今は精道(セイタウ)村の大字。田圃のうちに在原業平の別墅、その他古蹟多し。又猿丸太夫の古墳と傳ふる處あり。あしのや。續古今「いつもかくさびしきものか津の國のあしやの里の秋の夕ぐれ」 『新修百科大辞典』三省堂*2 昭和九年 あしや(葦屋) 兵庫縣武庫(ムコ)郡精道村の大字。打出(ウチデノ)濱の海濱で、鐵道東海道線の一驛がある。附近は住宅別莊地。又古歌の名所。 『新修百科大辞典』博文館 昭和九年 あしや 蘆屋 (二)兵庫縣武庫郡打出濱海岸の地名。文化住宅地として知られ、月と螢の名所である。 『日家庭大百科辞彙』冨山房 昭和二年 アシヤ・蘆屋 (二)蘆屋の里。兵庫縣神戸附近打出濱海岸。歌には「あしのや」とよむ。月と螢の名所。歌枕の一.蘆屋

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  • 「待望の復刊」 - くうざん、本を見る

    語の歴史別巻 (平凡社ライブラリー) 作者: 亀井孝,山田俊雄,大藤時彦出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/01/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (6件) を見る解説は山田健三氏。 「言語史は復活されねばならぬ」と断じた編者たちの声に、[……]再び若い学徒が呼応してくれることを期待している。 同感です。 1600円ですが、是非、買いましょう。文中の図版もきっちり入っています(巻末図版はありませんが)。 山田さんの解説をお読みになれば、ますます買いたくなることでしょう。 ある文学研究者の記述に対しての、 「読者の多くは素人」と高を括って、無責任な発言に墮しているプロの発言ほど、憎むべきこと、また愛しむべきことはない。 という一節から、書の名著たる所以を説くところなど。 ただ、「書執筆陣四名の内、三名までもが鬼籍に入っている」とある

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  • 悠揚 - くうざん、本を見る

    たまたま、報道ステーションで、「悠揚を迫らない」(あるいは「悠揚を迫らぬ」)という字幕を見た。発言者(静岡県知事だったか)は、「悠揚迫らない」(あるいは「悠揚迫らぬ」)と言っているようだったが。 さて、この「悠揚迫らぬ」ということば、結構面白い。「悠揚にして迫らぬ」「悠揚として迫らぬ」ということだろうと思うのだが、「悠揚不迫」という句は漢籍に見えないようだ*1。 日国語大辞典で「悠揚迫らず」は、芳賀矢一「国民性十論」*から用例をあげている。 「悠揚不迫」、矢野龍渓「安田善治郎伝」*にあるのは見つけた。asin:4122006562 見出しが「悠揚不迫」で、文は「悠揚迫らざる」。 漢籍に見えない漢語といえば 先日書いた、日のための漢字辞典に、林大監修『現代漢語例解辞典』小学館、1992年isbn:4095010916いた。JIS漢字の第二水準まで、幽霊漢字といわれるものも収録したのが特

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    kanototori
    kanototori 2007/10/16
    ゆやゆよーんと迫らない
  • 赤福を知らずに僕らは育った。 - くうざん、本を見る

    関西では赤福がこんなに浸透しているとは。 関西に出てきてから、近鉄の駅などで赤福がよく売られているのは知っていたのだが、赤福をべたことがない、ということを、それほど驚かれるとは思わなかった。 「伊勢うどん」も知らなかった。初めてす。やわらか麺で、よい。 こねごね・ぐうくう 「てこね」で「てごね」ではないようだ。 そういえば、ないくう・げくうの「くう」はどう解釈したらよい? 「ないくう」だけなら、濁音忌避かと思えるのだが、「げくう」もあるからには連濁忌避?

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  • 明治のおふざけ題名本 - くうざん、本を見る

    これ、けっこう有名と思ってたけれど、ググっても言及は見当たらない。 ドーデモ英和字彙(近代デジタルライブラリー) 明治18年。*1 真正の英和字彙の大に流行するを見、こいつ出版せば一山儲からんと思ひ付き編輯せるものなり その実は、ローマ字書にした日語の面白語解、という感じ。團團珍聞・驥尾團子系の。普通の辞典では見かけない面白そうな語も見えるが、臨時的なものかが分からないのが残念。「そんなん、どーでもえーわ」といわれそうだが。 巻末広告もふざけている。「牽強府会傍聴筆記」とか。 ついで 横書きの踊り字が「く」となっている。 http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40078335&VOL_NUM=00000&KOMA=5&ITYPE=0 追記 コメントで、googleでヒットするとお教えいただきまして、私のヒットしないというのは私の勘違

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  • 濁点の拡張 - くうざん、本を見る

    ここで書いた、「漫画などにみられる「あ゛」のような表記」のこと。これが、何時ごろからあるものなのか、ちょっと知りたいと思っています。あまり漫画を読まない私が見つけたのは、 時代マンガベストセレクション (文春文庫―ビジュアル版) 作者: 文芸春秋出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1991/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るに入っている、平田弘史「介錯」に見える、切腹の際の「ぬーっ」の「ぬ」に濁点(p327)。初出は「土曜漫画(土曜漫画社)1971(昭和46)年7月30日号」とのこと。 復刻が必ずしも原どおりに行われるわけではないので、これも不確実なのですが。 後日の補 呉智英『現代マンガの現代像』に引かれる、平田弘史「血だるま剣法」は、昭和37年のものとのこと。それに、 ヴヴーッ ヴーッ ガギ グー と見えます。この「ヴ」は「vu」を表すのではなさそうです。

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  • 物怪 - くうざん、本を見る

    http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/20070512#p3 を見て。 「物怪」を「もののけ」と読んだ例は、『書言字考節用集』*1にはあります。『書言字考節用集』は享保二年(1717)の刊行で、平田篤胤よりも古いものです。(慶長古活字板『太平記音義』にもあるようです*2。) 「物怪」を「もののけ」とは読めない、というのは、おそらく、『平家物語』「物怪之沙汰」など、中世以前においての話ではないかと思います。通常、『平家物語』では、「もっけ」という読みが選ばれています((「もののけ」と読んでいる、後世のテキストもありますが*。))。平家の諸にもあるようですが、「物怪」を「もっけ」と読むのは、古節用集にも見られるものです((奈良女子大学提供の阪龍門文庫蔵節用集で、やや字体が違うものの見ることができます*。))。 一方、「物怪」を「ぶっかい」と読んだ江戸時代以前

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