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ブックマーク / uakira.hateblo.jp (4)

  • 明治二十三年の半角カタカナ - 日本語練習虫

    遭遇した際に一瞬我が目を疑ったんだども、明治二十三年八月十六日付の官報第二一四〇号、二〇二頁の「全国気象摘要」の項をよく見ると: 第一行末尾「福岡ニ七百五十六」や、第四行中程「温度十九度)ニ至ル間ハ」の「ニ」が、「半角カタカナ《ニ》」になっている。 もっとよく見ると漢数字の「二」であるようにも見えるけれど、第六行後半「根室ニ二十一度ナリ」の「ニ二」と見比べると、やはりカタカナの「ニ」なのだろう。 この頃の官報は、二段組のひとつの段を、六号活字なら一行=ベタ組四十六文字、五号活字なら一行=ベタ組三十四文字+クワタ(四分の一文字)で組んでいる。 五号活字の文に必ず必要となるクワタについては、意味の区切りなどタイポグラフィ的な要請にはほとんど無頓着な状態で組んでいることが見える。 六号活字の文については、句読点や括弧で処理しきれなかった行長を、どういうわけか「半角カタカナ《ニ》」によって調整

    明治二十三年の半角カタカナ - 日本語練習虫
  • 幼児の識字と書字と用字 - 日本語練習虫

    もうすぐ三歳十ヶ月になるウチの野郎ッコなんだども。 平仮名や片仮名については「字の練習」段階を卒業したつもりで、現在は単に字を書くんぢゃなくて、語を書きたい文を書きたいといふ気持ちが先にあって字を書いてゐるらしく。それでも上手に書けない字はたくさんあり。 落書き中に「おとーさん、《よ》書いて」とせがまれて余白に「よ」を書くと「違う!!」と怒られ、辛抱強く事情聴取しつつ紙面を追ふと、独力で「いい」と書いたところに「よ」をくっつけて「いいよ」といふ文字列にしたかったらしい――とか、そんな事例がちらほら。 目で覚えたコトバと耳で覚えたコトバでは仮名遣ひが異なり、http://d.hatena.ne.jp/uakira/20070309 ではねぇが、「もーだめだ」など耳から入った語句を書く時は棒引き仮名遣ひだったりする。 あとどのくらい経てば、何で「おとうさん」「もうだめだ」は「おとーさん」「もー

    幼児の識字と書字と用字 - 日本語練習虫
  • 坂出市と亀岡市の「木偏に豊」地名 - 日本語練習虫

    先日 http://d.hatena.ne.jp/uakira/20071024 で言及した、「木偏に豊」でハリノキとなる国字を含む地名なんだども。 この字に続けて「木」を書いて「ハリノキ」と読む地名が香川県坂出市(府中町)にあったと『新潮日語漢字辞典』さも記さってゐだったんだども、明治の『正式二万分一地形図』で綾歌郡府中村に見える地名は「榿谷」で、5000分の1国土基図(昭和四十二年作成)の坂出市府中町にある地名も「榿谷」、昭和三十八年に編まれた『府中村史』90〜95頁にある「村内の地名」の項に出てくる地名も「榿谷」(92頁)だった。 この地名が昔坂出にあったといふ時の「昔」は、江戸以前の話なんだらうか。 ちなみに現在当該地区は、25000分の1地形図にも見られる通り漢字一文字で「榿」と表記されるやうで、当該地区にある神掛神社の平成六年に建て直さった石柵には寄進者名の上に「榿」「小原

    坂出市と亀岡市の「木偏に豊」地名 - 日本語練習虫
  • 露伴は小書き仮名を多用したか - 日本語練習虫

    明治二五年『尾花集』所収「五重塔」の書き出しを近代デジタルライブラリーで眺めると http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=41008439&VOL_NUM=00000&KOMA=4&ITYPE=0 ただの五号カタカナ「ト」を用ゐて四行目の「一トしほ床しく」や最終行の「髪の毛の一ト綜二綜」が組まれてゐる。 講談社『日現代文學全集 6 幸田露伴集』の校訂者はこれらの「ト」を《小書き片仮名》《捨て仮名》《訓点送り仮名》の類であると解釈し「小さいト」として印刷したらしく、それを底とする青空文庫版が訓点送り仮名の注記をしてゐる。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000051/card43289.html 原稿を見る立場にないので、露伴が「小さいト」を指示したか「大きいト」を指示したか、己には判らねぇんだども、最初のテ

    露伴は小書き仮名を多用したか - 日本語練習虫
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