週刊ポスト 2010年7月16日号 脳のトリセツ 第49回 「ストックホルム症候群」からの脱却 受験、就職を経て企業戦士へ……過剰適応する日本人は自ら進んで不条理な社会システムの「人質」になっていないか? 抜粋 日本人は、本当に我慢強い国民だと思う。 子どもの頃から、受験勉強に駆り立てられる。大学の勉強が真っ盛りのうちに、就職活動が始まり、会社説明会や面接に追われる。卒業しても、休めるのは、せいぜい2週間くらい。4月1日からは、新入社員として、企業戦士となる。 満員電車に乗って、毎日「痛勤」する。休みもなかなかとらない。長期バカンスなど、とんでもない。残業も当たり前。家には、眠りに帰るだけ。そうやって一生懸命働いても、なかなか生活が楽にならない。 日本経済の失速が長期化して、さすがに、多くの人が今までのやり方ではマズイのではないかと感じ始めている。それでも、日本人はあくまでも従順。矛盾だら