安倍晋三が最後に読んでいた本が岡義武『山県有朋』だそうだが、 これが本当の話か、自分は疑っている。 64年前に出版された岩波文化人の古典を、安倍はきちんと読むような政治家だったか? 確かに、山県と安倍は、時代を代表する権力者であることも、 山口にゆかりがあることも、顔が長いことも同じだが、出来すぎた話である。 同書は山県に概ね批判的だった。 もし本当に読んでいたとしたら、どういう感想を持ったかは興味深い。 しかし、一月前に死んだ大隈重信の国民葬に比較して、 山形の国葬が「ガランドウの寂しさ」だったことは有名な話で、 これだけ論議を呼んだ国葬のスピーチを、山県の話で締めくくる菅義偉も、 それを素直に感動する不勉強な国民も、ちょっとどうかと思うよ。 岡義武は山県の死について、こう書いている。 一方の安倍が、同様に忘れ去られるかは、これからのことである。 [山県有朋の]支配の基礎は、民衆にはなか
