2000年以降、アメリカの不法移民数は下降傾向をたどっていた。しかしバイデン大統領就任後の2021年以降はその数が急増している。トランプ政権時代は不法移民として入国してきた家族を引き離して劣悪な環境に収容したり、イスラム圏からの入国を禁止するなどの人種差別的政策を敷いていたことで、不法移民数はある程度歯止めがかかっていた。また2020年3月以降は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全世界的な「鎖国」状態が続いていたことも、2021年までは不法移民数が抑制されていた原因だった。 しかし一般的に民主党政権は移民政策に柔軟であると思われているほか、バイデン政権に移行後、新型コロナ感染が減少傾向に移り入国規制が緩められたこと、そしてロシアによるウクライナ侵略で世界情勢が不安定化したことなどが追い風となり、アメリカ・メキシコ国境を目指す不法移民数が急速に跳ね上がった。 ◆不法移民数が2年前に比べ6