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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/joyce (11)

  • BBCのジャニー喜多川「性加害」報道が問う、エンタメ界の闇と日本の沈黙

    <公然の秘密ながら日の大手メディアは決して深入りしない、ジャニー喜多川の疑惑を取り上げたBBCの番組は、世界共通のエンタメ界の闇と、日社会の問題を投げかける> 東京でイギリスの新聞の特派員をしていた頃、外国から有名ジャーナリストがなだれ込んで来ては、日ではとっくに常識と思われるようなニュースを大々的「スクープ」として報じているのに驚かされた。日経済はもはや世界の先頭を走っていない! 日でもホームレスが問題化している! 日の司法制度は過酷すぎる! そしていま加わったのが──ジャニー喜多川は連続性加害者だ! イギリスで3月7日、BBCのドキュメンタリー『捕者:Jポップの隠れたスキャンダル』が放送された。ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川を取り上げたものだ。公平を期すために言うと、番組を担当した記者モビーン・アザーはこのスキャンダルを新事実として報じたわけではない。むし

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    kaos2009
    kaos2009 2023/03/17
  • 国歌斉唱で胸に手を当てる、なでしこジャパンに違和感

    サッカー女子ワールドカップを見ていて驚いた、日人選手の「胸に手」。愛国心を見せつけるアメリカ的習慣がなぜ、いつから取り入れられた?> 先日僕が映画を観ていたとき、登場人物の1人がかの有名なジョークを口にした――世界には2種類の人間がいる。世界を2種類の人間に分ける人間と、分けない人間だ。 その日、僕はちょうど、人間を、あるいは「国民」を2種類に分けて考えていたところだったので、この言葉には思わずハッとした。国歌斉唱のときに胸に手を当てる国もあれば、そうしない国もあるな、と。 そんなことを考えていたのは、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で日対オランダ戦を見ていたときだった(日はこの試合で不運に見舞われ勝利を逃したが、それはここでは話題にしないでおく)。試合開始前、僕はなでしこチームが『君が代』斉唱の間、右手を左胸に当てているのに気付いて驚いた。いつからこうなったのだろうか? 大まか

    国歌斉唱で胸に手を当てる、なでしこジャパンに違和感
    kaos2009
    kaos2009 2019/07/10
    [だがほとんどの人は、「ガッザでしょ?あのおバカの......」と笑って終わりだった。こんなふうに誰かがちょっとばかげた道の外し方をし、人々がそれを大した問題にしないような国に生まれたことを、誇り。」
  • 貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特典」を享受する

    <イギリスの富裕層貧困層より10年長生きして、年金を長く受け取り医療保険を長く利用する> ロンドンへ向かう電車の中で僕は、「poverty premium(貧困割増金)」を改善しようとの運動についての記事を読んだ。これはイギリスではよく知られた問題。必要なものを手に入れるために、貧しい人々ほど多くのカネを払わなければならない仕組みを指している。 分かりやすい例は、彼らがローンを組むときにずっと高い金利を設定されること。だからもしも彼らの家の給湯設備が壊れたら、新たな2000ポンドのボイラーを購入するカネを借りるために、僕なら5%の金利を課されるところ、彼らはおそらく24%の金利を払わなければならないだろう。そして言うまでもなく、そもそもそれをすぐに買えるだけの貯金がある人だったら、シンプルに一括で購入してローンも金利も必要ないだろう。 貧しい人々は時に支払いが遅れたり、滞ったりして、その

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特典」を享受する
  • ホンダ英国工場撤退で大騒ぎの不思議

    <3500人の雇用が失われるスウィンドンの工場閉鎖にイギリスは動揺するが、イギリスの雇用が絶好調なこと、経済構造が変化していることは注目されていない> 今日、大きなニュースが2つあった。1つはホンダがイギリス南部スウィンドンにある工場を2022年に閉鎖し、3500人が失職するというもの。もう1つは、イギリスの失業率が1975年以来で最低水準になっていることだ。 どちらが大きな扱いだったと思う? そう、ホンダだ。今日のニュースを見ていると、この決断を下した東京社からのリポートがあり、何人ものホンダ従業員がインタビューで将来への不安を口にし、イギリスにおけるホンダの歴史が紹介され、産業界リーダーや政治家たちが今回の件はブレグジットに原因があると批判し(ホンダは、撤退はブレグジットとは関係ないと言っているのだが)、スウィンドンの経済状況について報じられていた。スウィンドンは「ゴーストタウン」に

    ホンダ英国工場撤退で大騒ぎの不思議
    kaos2009
    kaos2009 2019/02/24
    [製造業はちゃんとした男のためのちゃんとした仕事であり、製造業部門で雇用が失われるのは悲劇である
  • 「ブレグジット再投票すれば?」は危険な考え

    もしも離脱の是非を問う国民投票が再実施されたりすれば、分断はさらに悪化しEUはつけ上がるだろう Phil Noble-REUTERS <EUからの離脱を望む人も残留を望む人ももはやどうしたらいいか分からないほどぐちゃぐちゃになり果てている、ブレグジットをめぐる4つの論点> ブレグジット(イギリスのEU離脱)のプロセスについては、状況が目まぐるしく変化しているだけに記事にするのが難しく、だからこそ日々のニュースをそのつど報道するか、全体的な分析をするために大きな出来事が起こるのを待つか、のどちらかになってしまう。 だが今回の記事は、そのどちらでもない。この混乱した状況に洞察を与えようと試みるものではあるけれど、「全体像」を描くものではないし、もちろん実況解説でもない。 1つ目の論点を挙げよう。明白なことだが、ブレグジットはかなりめちゃめちゃな状態になっている。多くのイギリス人が、ブレグジット

    「ブレグジット再投票すれば?」は危険な考え
  • 「サマータイム先進国」イギリスから日本への忠告

    <1916 年に導入したイギリスでは欠陥のほうが目立つ――日が導入するなら五輪のためでなく市民の恩恵をまず考えるべき> ウィリアム・ウィレットの名を知っているイギリス人は多くないが、彼が考え出した制度は100年後の今も、イギリス人の生活に影響を与え続けている。 そこそこ裕福な住宅建築業者で乗馬とゴルフをこよなく愛したイギリス人のウィレットは1907年、夏に時計を進めることを思い付いた。理由は大きく2つあった。 1つ目はライフスタイル。夏に時計を進めれば、仕事を終えても日没までにまだ時間がある。散歩を楽しめるし、ゴルフを途中で切り上げなくて済む。2つ目は経済的な理由。節電になるから、国も市民も経済的に大きな恩恵を被る。 推進力になったのは、2つ目の理由だった。第一次大戦が勃発し、石炭不足が懸念された。そこでイギリスは1916年、サマータイム導入に踏み切った。以来、イギリスはこの制度を続けて

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  • 村上春樹の小説を僕が嫌いな理由

    <奇妙な展開だらけの村上作品の世界的ヒットは特徴ある商品が上手に売られている感じ――文芸評論家でもない一読者としての私的作家論> 話のできる、未来を見通すカエル、謎の羊、消滅する象。時間移動、パラレルワールドの扉、消える語り手......。 これを読んで「もっと聞かせて!」と思った人は、きっと村上春樹の小説のファンだろう。逆に、わずかでも現実に起こりそうなことを書いた小説が好きな人なら、僕と同じく、あんなバカバカしくて不合理な話を、この分だと結末もまともではないなと思いながら何百ページも読む気にはならないはずだ。 村上が世界的な現象であることは確かだ。彼のは大ヒットし、数十の言語に翻訳されている。 村上は、僕がロンドンのバスやニューヨークの地下鉄の中でその作品を読む人を目撃したことのある唯一の日人作家だ。大江健三郎や谷崎潤一郎を読んでいる人など一度だって見たことはないが、村上を読む人

    村上春樹の小説を僕が嫌いな理由
    kaos2009
    kaos2009 2018/07/11
    “<本誌2018年5月15日号『特集:「日本すごい」に異議あり!』より転載>”
  • 「学費無料なんか不可能」と若者に説教するイギリスの老害

    学生ローンに苦しむ若者たちは、近く労働党政権が誕生して何とかしてくれると気で信じている(イベントでコービン支持をアピールする若者たち) Dylan Martinez-REUTERS <多額の学生ローンに苦しむイギリスの若者たちは、近い将来労働党が与党になって学生ローンの負債を軽減してくれることを期待している> 前回のコラム「大学も就職も住宅も『損だらけ』のイギリスの若者たち」では、説明しきれなかった注意点や例外がたくさんあった。「最大で」とか「多くの」「一部の」と条件を付けるべき個所も多かった。文章中に「*」を付けて、最後に脚注で説明したかったくらいだ。 例えば、「*スコットランドの大学に在籍するスコットランド人学生の場合は学費無料」「*RPI(小売物価指数)プラス3%の利息が課されるのは、2012年以降に大学に在学していた学生のみ」「*学費は2012年までは『たったの』3000ポンドだ

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  • 特権エリートに英国民が翻した反旗、イギリス人として投票直後に考えたこと

    <EU残留派、離脱派の双方の意見は大きくい違っていた。離脱派はロンドンのエリート層に対して怒りをおぼえ、彼らに指示されるのはお断りだと考えていた> イギリスのデービッド・キャメロン首相が2013年に、次回総選挙で自身の率いる保守党が勝利すれば、イギリスのEUからの離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票を行うと約束したとき、僕は単純明快にこう思った。当にそんなことをすれば国民は離脱に投票するに違いない、と。EUはいいものだと言うイギリス人を、僕はほとんど見たことがない。むしろEUへの怒りや批判の声が大半だった。 もちろん僕はジャーナリストとして、反対の「残留派」の意見をあえて聞く必要があった。探してみれば、残留派はけっこうちゃんといた。EUにまあまあ乗り気、という人もいるにはいたが、もっと多かったのは「概して」「仕方なく」「知った悪魔だから」EU残留のほうにしておこう、という声だった。

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  • パブから見えるブレグジットの真実

    <EU離脱(ブレグジット)を問う国民投票を来週に控えて、イギリスでは世論調査の数字が賛否で拮抗している。EU残留を主張する体制派のエリート層は、誰が離脱を支持しているか見えないようだが、安いチェーンのパブに行けばそんな人々が集っている> 僕は週に一度はパブに行くことにしている。月曜か木曜なら、僕の住む町の「ザ・プレイハウス」と呼ばれるパブに行く。時々は気分転換に別のところに行ってみようかとも思うが、結局はだいたいいつもザ・プレイハウスに行くことになる。 もしも僕の住む町、イギリス南東部エセックス州のコルチェスターを訪れて誰かにザ・プレイハウスの場所を尋ねれば、ほとんどの人は答えられないだろう。大きくて目立って有名なパブなだけに、おかしな話だ。でもそのうち誰かが「ああ、もしかして『ウェザースプーンズ』のこと?」と言って案内してくれると思う。 ザ・プレイハウスはイギリスに何百と店舗のあるウェザ

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  • スコットランド住民投票の意外な意味

    スコットランド独立の是非を問う住民投票が、9月18日に行われる。僕が心配していたとおり、結果はほんのわずかの差で決まることになりそうだ。 イギリスからのスコットランドの分離独立は、わずか数千票の差で決まる可能性がある。これは極めて重大な決断で、「次の選挙」で現政権にノーを突きつけて簡単に覆せるようなものではない。賛成が過半数を占めさえすれば、たとえ反対票が49%に上っても分離独立できるなんて信じがたいことだが、今回の住民投票ではそれがあり得るのだ。そこまでの僅差だと、独立について住民の「明らかな信認を得た」とはとても言えない。独立に反対した人々にとっては受け入れがたいはずだ。 独立「イエス」派のかなりの人々は、現イギリス政府を支配する保守党政権に反発を抱いているから独立を求めている、という部分が少なからずある。正確に言うならこれはスコットランド独立のための投票というより、「イングランド人有

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    kaos2009
    kaos2009 2014/09/12
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