道内で相次いだ動物園入場料の値上げ。 背景には国際的に動物の飼育環境の改善を迫られ、待ったなしの状況に追い込まれているという動物園の事情がありました。 自然に近い展示が全国的な人気を誇る旭川市の旭山動物園。 来年の春、入園料を1000円に値上げすると発表しました。 公立の動物園では全国で最も高くなり、戸惑いの声も上がっています。 背景にあるのは、「動物の福祉」を巡る欧米からの批判です。 「動物の福祉」とは、動物本来の動きができる飼育環境を作るべきだという考え方です。 具体的には、飼育スペースを広くしたり自然に近い環境を作ったりすることで動物のストレスを最小限に抑える発想で、いま世界に広まっています。 旭山動物園の場合、批判の1つが動物が同じ動作を繰り返す「常同行動」という動きです。 展示スペースが狭く、床や壁がコンクリートで人工的であることから異常な動きをしていると批判されているのです。