時刻表は謎の多い書物だ。列車の時刻を調べたり、わからないことを明らかにしたりするために存在しているのに、「謎の多い」というのは矛盾している。でも、読み込んでいくと、謎の事象がたくさん現れる。 たとえば、関西エリアで運転されている新快速電車。米原20時54分発の新快速、網干・播州赤穂行き(土曜・休日運休)は「謎の列車」だ。 一見無意味な分割をする理由は? この列車は23時23分に姫路に到着すると、23時25分発の播州赤穂行きと23時28分発の網干行きに分割される。このようにサラリと文章で書くと、何の違和感もないように見える。だが、姫路、網干、播州赤穂の位置関係を見ると、謎が現れる。播州赤穂行き電車は姫路で分割された後、網干を通って、さらに先の播州赤穂へと向かう。だったら姫路ではなく網干で分割作業をすれば、姫路―網干間の運転のために運転士や車掌を二重に手配する必要がなく、効率がいいのではないか