看板に「子どもを捜す店」の文字と顔写真 広東省深セン市の中心部から車で約20分。小学校近くの小さな商店が軒を連ねる一角に、その雑貨店はあった。緑の看板に「〓(〓は上が「ヨ」下が「寸」)子店(子どもを捜す店)」の文字。印刷された幼い男児の写真がひときわ目を引く。 男児は店主、閻智勇さん(45)の長男、乙人君。16年前に4歳で行方不明になった。閻さんは「子どもを捜す店」を営みながら、息子に関する情報の提供を呼び掛けている。 行方が分からなくなったのは2002年1月22日。幼稚園から帰宅した乙人君は友だちとアイスを食べた後、閻さんが当時営んでいた印刷店の近くで砂遊びをしていた。午後6時半ごろ、閻さんの妻馮梅さん(46)が「帰っておいで。一緒にシャワーを浴びよう」と声を掛けたが、遊び足りなかったのか戻って来なかった。乙人君の姿を見たのは、それが最後となった。 閻さん夫妻は午後8時ごろ、警察に届け出