DX(デジタルトランスフォーメーション)ブームのおかげで、SIerをはじめとする人月商売のITベンダーが肥え太る――。目まいがしそうになる現実が進行している。企業がきちんとDXに取り組んでいるのなら、人月商売ベンダーがしばしの間、肥え太っても構わない。だが、老朽システムの単なるモダナイズにすぎない「偽りのDX」で肥え太っているのだから話にならない。 事の発端は、2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート」だ。もう4年半も前の報告書だが、IT関係者なら誰もが「2025年の崖」という強烈なキャッチコピーを覚えているはずだ。というか、肥え太った人月商売ベンダーは今でもこのキャッチコピーをフル活用している。当の経産省も大いに反省しているようだが、まさに「2025年の崖」はSIerらを無意味に肥え太らせた「元凶」となってしまった。なぜDXを推進するはずの施策が、老朽システムの単なるモダナイズ