福島県大熊町の帰還困難区域にある福島第一聖書バプテスト教会の中に立つ佐藤彰牧師(2021年2月27日撮影)。(c)Philip FONG / AFP 【3月11日 AFP】巨大地震による福島第1原子力発電所の事故から10年。佐藤彰(Akira Sato)牧師(64)は、避難を余儀なくされた福島県双葉郡大熊町の教会に再び賛美歌が響き渡る日を夢見ている。 2011年3月11日、地震直後の大津波で原発の冷却システムが制御不能に陥り、メルトダウン(炉心溶融)を誘発した。その原発から約5キロ離れた大熊町にある福島第一聖書バプテスト教会(Fukushima First Bible Baptist Church)は、当時のことが思い出される状態のままだ。 「ここに来て周りを見渡すたびに、涙が止まりませんでした」と、一時立ち入りで教会を訪れた佐藤牧師は語った。教会がある地区を含む大熊町の約60%は「帰還困