芦屋市立美術博物館(同市伊勢町)の学芸員が一斉退職する問題で、同館に美術作品や資料を預けている寄託者の7、8割に当たる約30の個人・団体が、作品などを引き揚げたことが31日、分かった。世界的に評価の高い前衛美術家集団「具体美術協会」メンバーの作品も含まれていたという。 同館については、4月から運営を担う指定管理者として、教育関連会社など三者でつくる共同事業体が選ばれたが、学芸員削減などの方針に反発した学芸員ら職員全員が3月31日での退職を表明していた。 学芸員によると、美術関係で返還した寄託品は、絵画や写真、文献などの少なくとも600点以上。「具体」以外にも同市ゆかりの洋画家小出楢重や、写真家中山岩太らが結成した「芦屋カメラクラブ」の作品もあった。 歴史関係でも、同市三条町の住民組織が、寄贈した江戸期の古文書など約数千点の引き揚げを決めている。松本源一郎会長らは「信頼してきた学芸員がいなく