そうであるなら、ユーザーは本来、ただ仕事を完遂することにのみ注意を払うだけでいい。そのような最終目標に向かって、「ああしろ、こうしろ」と命令を下すだけで、システム側で適切なアプリケーションを迅速に立ち上げ、適切な処理を実行してくれるべきだ。つまりUI的には「仕事」が前面に押し出され、「アプリ」はその背後に隠れるイメージである。これがラスキン氏の言う「仕事中心の情報処理」、あるいは「人間の活動を基本とする情報処理(Activity Based Computing)」と呼ばれるものだ。 ラスキン氏が言うとおり、この新しい情報処理のスタイルは、モバイル端末により適している。なぜなら屋外の慌ただしい諸環境で使われるモバイル端末では、PCのように両手を使って、1つ1つ順番にアプリケーションを起動し、そこからメニューを開いて、何らかのデータをコピーし、別のアプリケーションにペーストする、といった悠長な