なぜもっと早く放出しなかったのか 昨年の夏以降、コメを買いにスーパーに行くと、品切れや“1家族、1袋”と購入量制限がつくことが増えた。そうした米の状況は、かつて1970年台の狂乱物価の時期、多くの主婦がトイレットペーパーを買い漁った光景を思い出させる。まさに“令和のコメ騒動”といえるだろう。 コメ不足がここまで深刻になった背景には、近年の異常気象の影響などで収穫量が伸び悩んだり、減少したりしたことがある。それに加えて、コメの流通経路が上手くワークしなかったことがある。そのため、供給が円滑に需要に対応することができなかった。そこに価格高騰を見込んで、コメの流通に関係のない業者までも多数加わって価格上昇に拍車をかけた。 今回の騒動に対応するため、政府が保有する備蓄米を市場に放出することで鎮静化を図る対策が出た。しかし、なんといっても、政府の対応は遅すぎる。コメの需給関係がタイトになりそうな段階
