2011年05月17日21:49 カテゴリエネルギー 原発は政治である 来月のBookセミナーでは、アゴラブックスから復刊する『原子力戦争』について田原総一朗さんに話を聞く。私は学生時代に映画で見たことがあるが、日本の政治の暗黒面を原発を素材にして描いたものだ。 原発は高度成長の象徴だった。これを日本に導入したのは正力松太郎であり、それを大きな利権にしたのは田中角栄や中曽根康弘だった。都市から地方へ所得再分配を行なう自民党の政治家にとっては、原発を初めとする発電所は大きな利権の源泉となった。電源立地交付金という形で地元に落ちる資金のかなりの部分が、政治家への賄賂だった。『原子力戦争』は、その実態を生々しく描いている。 これに反対する勢力も政治的だった。60年代後半の学生運動が挫折し、70年代に公害反対運動にテーマを移し、その象徴として原発が標的になったのが70年代後半だった。このため、原発