本を書いたりしている関係で、様々な編集者とお話をさせて頂くことが多くなった。先日、とても才能にあふれる編集者さんと飲んでいたのだが、その時の話題はメディアの未来だった。 一番驚いたことは、最後までこの世界で生き残るであろう彼すらも、メディアの将来について悲観的だったことだ。悲観的、といっても、メディアそのものが悪くなるというわけではない。職業としてメディア業界に働き続けられる人が激減し、こと出版に限っていえば、マスメディアは存在しなくなるだろう、と彼は話していた。 今回は、提供価値という観点から、メディアについて筆者が感じていることを書き留めておこう。なお、本稿で「メディア」という時には、「何らかの形で情報を編集して広く人々に提供することを中核とする事業」という意味で用いている。この定義をとると、出版業界のみならずテレビ・ラジオなども含まれるが、ここでは主に出版業界を取り扱うこととしたい。
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