米エール大学経済学部のロバート・シラー教授の名前をご存じの読者も多いだろう。彼は世界的なIT(情報技術)バブルの崩壊が始まろうとしていた2000年3月に『根拠なき熱狂(Irrational Exuberance)』を出版し、ベストセラーになった。 シラー教授は同書で1990年代後半の株式高騰の原因を分析、投資家の非合理的で根拠のない熱狂による株価高騰とバブル崩壊のリスクに警鐘を鳴らした。彼は今、住宅不動産のバブル崩壊問題で忙しい。 米住宅価格はまだ下がる シラー教授が関わっている全米の主要都市部の住宅価格の動向を示すS&P/Case-Shiller指数(グラフ1)は、米国の住宅バブル崩壊後、広く注目の的となった。毎月新しい計測値が発表されるたびに、「まだ下がっている。どこまで下がる?」と不安な議論を巻き起こしている。同指数が示す住宅価格は2006年のピークから既に20%近く下落した。先週も
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