今日は、とても嬉しい日だった。昨日「大切な取材がある」と書いた。アダルトビデオ界孤高の鬼才・ヘンリー塚本監督にお会いした。初めてインタビューを試みたのは1994年。その時の様子は、僕の初めての単行本『アダルトビデオジェネレーション』に収められている。僕はこんなふうに書いた。「塚本氏が代表を務めるFA映像プロダクトは、世田谷区246号線沿いの真新しいビルの3フロアを使っている。社内は広く、あの情念渦巻く犯罪ドラマを撮り続けている会社のイメージとほど遠く明るく清潔だ。そして塚本氏自身もまた、その作品から受けるイメージとは裏腹であった。穏やかで生真面目な性格、丁寧な語り口。品の良いジャケットをさっぱりと着こなし、51才という年齢は、にわかに信じられないほど若々しい」。そうか、氏は現在の僕と同い年だったのだ。 若い頃より無類の映画青年であった塚本氏は、30代になってそれまでの職業である服飾デザイナ