兵庫県の南部を走る北条鉄道。「生かす」という視点で、新しい価値を生み出している。車両は、旧国鉄型車両の「キハ40形」だ この記事の写真をすべて見る 地方のローカル線が存廃に揺れている。復活の方策はあるのか。未来の鉄道の在り方を、専門家に聞いた。AERA 2024年2月26日号より。 【図表】崖っぷち!乗客が少ない鉄道ワースト50はこちら(全5枚) * * * ローカル線を存続させるには、どうすればいいか。 島根県立大学准教授で、ローカルジャーナリストとして『ローカル鉄道という希望』の著書もある田中輝美さんは、鉄道に「プラスアルファの価値」を加えることが大切だという。 キーワードは「生かす」だ。 「鉄道を通勤通学の移動手段としてだけではなく、鉄道の持つ資産を有効活用し、新しい価値を生み出していくことです。それが結果として、鉄道を『残す』ことにつながります」 運命共同体の3者 田中さんが注