コロナ禍のアメリカで奮闘する日本人牧師がいる。関野和寛さん(40)。ミネアポリスの病院で「チャプレン(病院聖職者)」として勤務し、新型コロナウイルス感染者の心をケアしながら、ときに命が消えていく瞬間を看取り、家族に寄り添う。新型コロナウイルスとの闘いの最前線に立つ、関野さんの日々とは。(ジャーナリスト・室橋裕和/Yahoo!ニュース 特集編集部)
「エビデンス」は万能か? SNSをはじめとするインターネット上では、さまざまな社会問題について活発な議論が行われている。特に健康や医療をめぐる話題については、さまざまな人々がさまざまな見解をもつことは当然で、それぞれの意見を交流させることは、社会全体の知識の量と質を高めていくことにも役立つだろう。 しかし、極端に見解が異なる人の間で意見が衝突したり、時にはあまりにも感情的な議論が続いたり、人格を否定したり傷つけあったりするような交流が起こるとすれば、それ自体は好ましいこととは言えない。そのような交流自体が関係者の健康を損ねてしまうこともある。 このような議論の場に足を踏み入れようとすると、まるで地雷原を歩いているような気持になる。少し遡ればホメオパチー(ホメオパシーと表記することもある)などの代替医療をめぐる議論、原発事故の放射能による健康被害をめぐる議論、最近の例で言えばHPVワクチンの
奇妙な光景だった。手術室で1人の医師が宙に腕を伸ばし、ゆっくりと動かす。取り囲む医師たちは、その手の先を見守る。全員が黒いゴーグルを着用していたことも、“奇妙”の原因だったかもしれない。実はこれ、バーチャルリアリティー(VR)の技術を用いた手術の光景である。VRはもう、ゲームや映画といったエンターテインメントの世界を飛び出し、医療や介護などの分野で広く活用されている。「疑似体験」を通じて技量や理解を高め、現実社会の難題に向き合おうという段階に入ったのだ。「VR元年」と言われた2016年から1年。さらに進んだ「VRの世界」へようこそ。(Yahoo!ニュース 特集編集部) 何はともあれ、動画(約6分)を見てほしい。東京都品川区のNTT東日本関東病院。ここでは、3年前から外科手術にVRを導入している。CTスキャンで撮影した患者の臓器データを基に、VRで患部を3次元化して再現。ホロレンズと呼ばれる
by Evan Long 虫歯の治療のため歯を削ると、通常、削った部分が完全に再生されないので人工の詰め物を入れることになります。しかし、キングス・カレッジ・ロンドンの研究者らによって発表された内容によると、アルツハイマーの治療薬を利用して、虫歯などによってダメージを受けた歯を再生させることに成功したとのことです。 Promotion of natural tooth repair by small molecule GSK3 antagonists : Scientific Reports http://www.nature.com/articles/srep39654 Decline of the dentist's drill? Drug helps rotten teeth regenerate, trial shows | Science | The Guardian https
がん細胞は、ブドウ糖をエネルギー源とする――。これは、1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞したオットー・ワールブルグ博士が、マウスの「癌性腹膜細胞」を用いた実験で解明し、1923年からの一連の論文で発表したものです。 2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなるとされる中、今日のがん治療の大きな問題点といえば、この90年以上も前に発見された事実が、まったく生かされてこなかったことに尽きるでしょう。今では、がん細胞は正常細胞の3~8倍ものブドウ糖を取り込まなければ、生命活動を維持できないことも分かっています。 ブドウ糖欠乏状態の体が生み出す「ケトン体」 その理由は、2つ考えられます。1つは、がん治療の現場において、患者の栄養管理や食事指導内容が軽視され続けてきたこと。そして、もう1つは、糖質の代名詞である炭水化物が、私たちが生きていくために必要な、3大栄養素の中核を担ってきたこと
リボンのような柔らかい素材のメッシュワイヤを脳に注入することで、ニューロン1つ1つの活動を観測し、さらには電気刺激を与えることで脳を修復するという新素材が開発されました。脳の一部が変性することを原因とするパーキンソン病や、統合失調症などの治療に役立てられると見られています。 Injectable Nanowires Monitor Mouse Brains for Months - IEEE Spectrum http://spectrum.ieee.org/the-human-os/biomedical/devices/injectable-nanowires-monitor-mouse-brains-for-months Injectable Wires for Fixing the Brain https://www.technologyreview.com/s/602488/inj
By Kanijoman 近年の日本人の死因で最も多い「がん」には、「1度がんになると治らない」や「抗がん剤治療で長期にわたって苦しむ」などの暗いイメージがつきまといます。しかし、新しく開発された「血中を移動して正確にがん腫瘍を攻撃できるナノロボット」を使えば、抗がん剤による副作用を取り除くことができるようになるかもしれません。 Scientists Have Created Nanorobots That Can Travel Down the Bloodstream and Precisely Target Cancerous Tumors http://sciencenewsjournal.com/scientists-created-nanorobots-can-travel-bloodstream-precisely-target-cancerous-tumors/ マックギル大
By Will Keightley 人間の腸内には10兆から100兆ほどの微生物が存在すると言われており、その数は人体の細胞の数37兆個と同等かそれ以上の数と考えられています。科学者は腸内フローラ(腸内細菌叢)がどのような種類の微生物により成り立っているのかを解き明かすために長年研究を続けてきたわけですが、研究から微生物が人間にどのような影響を与えているのかが少しずつ明らかになっています。 How Your Gut Affects Your Mood | FiveThirtyEight http://fivethirtyeight.com/features/gut-week-gut-brain-axis-can-fixing-my-stomach-fix-me/ 近年、人間の腸と腸内の微生物に関する研究が進むにつれて、腸内の微生物は脳とメンタルヘルスにとってとても重要な役割を担っていること
By Tim Geers 人間の臓器移植で最も難しいのが臓器を提供してくれるドナーを探すことです。移植手術ではドナーが見つかるまでとにかく待ち続ける必要があり、その期間は1年や2年では済まない、という場合も往々にしてあります。そんな移植手術の現状を打開できるかもしれない新しい技術が「異種移植」です。これは名前の通り、人間ではない他の種の動物から臓器を移植するというもので、最新の研究ではなんとブタの心臓をヒヒに移植して945日間も機能させ続けることに成功したことが明らかになっています。 Chimeric 2C10R4 anti-CD40 antibody therapy is critical for long-term survival of GTKO.hCD46.hTBM pig-to-primate cardiac xenograft : Nature Communications :
By Finizio 一般的な虫歯の治療法と言えば、「虫歯を削って詰め物をする」というものですが、最新の研究で「虫歯を削る必要なし」「詰め物も不要」という実験結果が現れて、虫歯治療が根本的に変わる可能性が指摘されています。 “No-drill” dentistry stops tooth decay - new research - The University of Sydney http://sydney.edu.au/news-opinion/news/2015/12/07/_no-drill_-dentistry-stops-tooth-decay---new-research.html Goodbye to dental fillings? ‘No-drill’ techniques can treat tooth decay just as well, study finds
普段は皮膚に覆われて見ることのできない骨格・内臓・筋肉・神経などの人体構造を、3Dグラフィックで好きなだけ見ることができるブラウザ版の解体新書のようなウェブサイトが「HUMAN 3.0」です。病気を患った時に自らの体内について勉強したい患者や、人体構造の知識が必要な介護士、医療系の学生・教師から本職の医者から単に人体構造に興味のある一般ユーザーまで、誰でも無料とは思えないレベルで人体構造を学習できるとのことなので、実際に使ってみました。 HUMAN 3.0 https://human.biodigital.com/index.html ブラウザからHUMAN 3.0にアクセスすると、トップページには男性の骨格模型が読み込まれます。 マウスでドラッグすると骨格模型の向きを変えることができ…… マウスホイールが縮小・拡大に対応。 調べたい部位をクリックすると、英語で部位の名称や説明が表示されま
脳が萎縮するアルツハイマー型認知症で見られる神経細胞の減少を抑える化合物を発見したと、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の高島明彦部長らの研究グループが16日発表した。 マウスに投与した実験で脳機能低下の抑制が見られた。治療薬の開発につながる可能性があるという。 認知症で最も多いアルツハイマー型認知症では、神経細胞内のたんぱく質の一つ「タウ」が異常な状態となって結合し、毒性を持つことで神経細胞が死滅すると考えられている。 発表によると、グループは、理化学研究所が保有する数多くの天然化合物の中から、タウの結合を防ぐ化合物を探索。有望な3種類の化合物を見つけた。 このうち一つの化合物が入った既存薬「イソプロテレノール」をタウが多いマウスに3か月間投与したところ、タウが結合せず、異常な行動を抑える様子が観察できたという。この薬は不整脈の治療などに使われている。
世界初! 12時間、痛みから解放してくれるパッチが完成2015.12.16 10:00 junjun 痛みに耐えるのって、本当に辛いですよね…。 腰痛、関節痛などをかかえてる人にとっては多分お馴染みのイブプロフェン。驚異的に効果的で非ステロイド系の安全な鎮痛・抗炎症薬として有名ですが、この度、イギリスのウォーリック大学の研究者たちと生体接着の医薬品を得意分野とするMedherant社が画期的イブプロフェン・パッチの開発に成功したようです。 このパッチのスゴイところは、なんと1枚貼ると12時間絶え間なく皮膚から拡散して鎮痛してくれるところなんです。研究者たちの主張によると、このパッチは通常のイブプロフェン入りジェル剤よりも30%も多くイブプロフェンを含ませていることに成功したそうです。 パッチは、皮膚に密着して動いても取れないようにベトッとしていますが、痛みを12時間緩和する耐久力、投薬量の
私の知人が国内外の医者271人に「あなたやあなたの家族ががんになった場合、抗がん剤を使用しますか?」と尋ねたところ、なんと270人が「絶対に拒否する」と答えたそうです。(中略)「99%」というのは、驚異的な数字です。(「まえがき」より) 『医者は自分や家族ががんになったとき、どんな治療をするのか』(川嶋朗著、アスコム)の冒頭では、このようにショッキングなトピックが紹介されています。気になるのは「なぜ、そのような結果が出たのか」ということですが、その大きな理由のひとつとして著者は、「医者たちが西洋医学の限界やリスクを知っている」ことを挙げています。 がんの場合、外科手術、化学療法、放射線治療が「三大療法」「標準治療」とされているものの、いずれも見つけたがんを切除したり叩いたりするだけ。適切なタイミングで行われた場合は効果を発揮することがあるとはいえ、それは原因を根本から治療するものではありま
川島なお美さんが胆管がんで急逝、また北斗晶さんが乳がんを告白と、著名人のがんのニュースが相次ぎ、改めてがんの予防や治療への関心が高まっています。しかし、がん治療についての誤解や、科学的根拠のない代替療法の宣伝などが、インターネットを通して無限に拡散されているのが現状です。「患者さんに害を及ぼす情報を放置してはいけない」と発信を続けている日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之医師に聞きました。【聞き手=編集部・中村好見】 【写真】抗がん剤の外来通院治療をうける患者たち −−川島なお美さんの訃報の後、「『抗がん剤の副作用でステージに立てなくなる可能性があるなら、私は最後まで女優として舞台に立ち続けたい』というのは、抗がん剤に対する誤解ですので残念です」という先生のツイッターやフェイスブックでの投稿は、大きな反響がありました。一歩踏み込んだ発言だと感じましたが、どのような思いで発信され
by Miles Smith ウィルスを使ってガン細胞を攻撃して破壊するという治療法に対し、アメリカ食品医薬品局(FAD)が世界で初となる認可を下しました。この治療法は口唇ヘルペスを引き起こす単純疱疹をもとにしてガン細胞を破壊するというもので、これまで数十年にわたって研究が続けられてきました。 Cancer-killing viruses have finally arrived | Ars Technica http://arstechnica.com/science/2015/10/cancer-killing-viruses-have-finally-arrived/ ウイルスは一般的に小さな胚のような形をしていて、人間の体内に入り込んだあとは自己増殖を行うために人間の細胞組織を乗っ取り、ウイルスに感染した細胞は徐々に破壊されていきます。ガン細胞が自己複製を繰り返して他の臓器に転移す
血液をつくる造血幹細胞を取り出し、体外で様々な血液細胞に変化できる能力を保ちながら無限に増やせる方法を開発したと、理化学研究所と京都大再生医科学研究所などのチームが発表する。増えた細胞は主に白血球に変わるので、体内に戻してがん細胞を攻撃させるという治療法に応用できる可能性があるという。 造血幹細胞は主に骨髄にあり、増殖しながら白血球や赤血球、血小板などに変化する。ただ、体の外に取りだすと、うまく増えず、血液細胞を体外でたくさん作ることは難しかった。 研究チームは、マウスの胎児の肝臓から造血幹細胞を取りだし、特定のたんぱく質の働きを邪魔する遺伝子を組み込んだ。すると、血液細胞などになる前の段階で増え、1カ月で1万倍になった。条件を変えると、この細胞は様々な血液細胞に変化した。 造血幹細胞にこの遺伝子を組み… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有
人のゲノム(遺伝子)研究が、がん治療を変えつつある。異常なゲノムを見つけ出し、その変異に応じた薬を患者に届ける「個別化医療」への挑戦だ。 2013年初頭、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの宮野悟センター長は、片思いに胸を焦がしていた。お相手は、対話が知的で洞察力に富み、たゆまぬ向上心も魅力だ。気にかかったのは、ユーモアに欠けるところくらい──。 宮野さんが心ひかれたその“人”の名は「ワトソン」。米IBMが開発した最新のコンピューターシステムである。 「ひと目見て、これは、がん研究に使えるなと思ったんです」 ワトソンの実体は、人間が日常会話で使う自然言語を理解するクラウド上のソフトウェアだ。単に自然言語を扱えるだけでなく、導いた答えが妥当かどうか自ら検証し、学習していく。 したがって学習するデータをアレンジすれば、さまざまな専門知識を持ったワトソンを生み出せる。宮野さんが
いつか献血ルームがなくなる日が来るかも。 先週イギリスの国民保健サービス(NHS)が驚くべきニュースを発表しました。今後2年の間に2人の志願者に対して、ラボで作られた人工血液を輸血する臨床試験を行なう予定なのだそう。もちろん世界で初めての試みです。 NHSが「世界初の”人工血液”」とよんでいるものは、厳密に言うと生物由来で、新生児のへその緒あるいは成人の骨髄から抽出された幹細胞から作られます。ラボ内で適切な化学環境と刺激を作ってやると、幹細胞を完全な赤血球に成長させることが可能なのですって。研究者たちは長い間、幹細胞を操作する技術を研究してきましたが、ついに人体に輸血できるレベルの血液を作れるところまで技術が進歩してきたのですね。 人工血液という言葉だけ聞くとちょっと不気味ではありますが、すでに行なわれている人工組織や人工臓器の移植と同じく、人工血液も実現すれば素晴らしい利点があります。ま
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