ブックマーク / gendai.media (187)

  • 「人生の最終段階」を明るくはみ出してみたら(川口 有美子)

    難民「ALS一族」 2009年の暮れのこと。学習院大学名誉教授でタレントの篠沢教授がALS (筋萎縮性側索硬化症)を発症した。確か妹から聞いて知ったのだったが、日の著名人でALSを罹患してカミングアウトした人は珍しかったので、『週刊朝日』1月号を買いにコンビニに走った。 読めば「吸引は愛」とあるが、奥様が大変そうだった。すぐ編集部に電話して、重度障害者の長時間の介護サービスがあること、誰でも使えることを伝えると、その日のうちに教授の奥様からお電話を頂戴した。 私の母は1995年にALSを発症。それで父と私と妹の3人で手分けして、在宅介護をしていた期間があるのだが、介護負担は尋常ではなく、そのまま3人だけで続けていたら、誰かが母を殺してしまいそうだった。それで実家の一角を借りて法人登記して、介護派遣事業所を立ち上げて7年が経っていた。 その頃はまだ、ALS患者にとって必要不可欠な吸引や経管

    「人生の最終段階」を明るくはみ出してみたら(川口 有美子)
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    kazu_y 2019/07/30
  • 『この世界の片隅に』は家制度を頭に入れて観るとよくわかる(一ノ瀬 俊也)

    漫画、そしてアニメ映画で多くの人びとの心をとらえてきた『この世界の片隅に』。8月3日にはアニメ映画版が地上波で初放送され、12月には新作のアニメ映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開される予定だ。綿密な取材をもとにつくられたこの作品は、戦時下の人びとの日常を知るうえで多くのヒントがつまっている、と日近現代史を専門とする一ノ瀬俊也埼玉大学教授はいう。今回は、この作品を題材に戦前の女性と家制度を考えてみたい。*以下の文章には、作品の内容に関する紹介が含まれていますので、ご注意ください。 「居場所」探しの物語 こうの史代の漫画『この世界の片隅に』とそのアニメ映画版は、広島県呉市を舞台に、戦時中のある女性の日常生活をリアルに描いた物語である。空襲や原爆、そして敗戦という異常な事態のなかでも、人びとはかけがえのない日常を強く生きていたという作品のメッセージは、多くの人の心を動かしている

    『この世界の片隅に』は家制度を頭に入れて観るとよくわかる(一ノ瀬 俊也)
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    kazu_y 2019/07/23
  • 消費税廃止を掲げる「れいわ新選組」が大躍進するかもしれない(伊藤 博敏) @gendai_biz

    れいわ新選組」の人気が高い 山太郎代表が率いる「れいわ新選組」の人気が高い。東京選挙区から比例代表に回った山氏は、全国を駆け回って遊説、数多くの聴衆を集めている。 参院選公示日前日の7月3日までに2億3100万円の寄付を集め、「3億円の寄付で10人を擁立」という条件は整ったとして、10名の候補者を決めた。 人気は日を追うごとに高まっており、寄付金は5日までに2億5200万を達成。2日で2000万円超を集めた計算で、無党派層を大きく取り込むうねりを感じさせる。 その象徴が、れいわ新選組のネット上での人気の高さ。 選挙ドットコムの集計によれば、れいわ所属候補のツイートに対する「リツイート」と「いいね」の数は、1ツイートあたり1547.73にのぼり、自民候補の449.09、立憲民主候補の109.71を圧倒的に上回る。 マスメディアの間では諸派扱いが多く、山代表が討論などに招かれることはな

    消費税廃止を掲げる「れいわ新選組」が大躍進するかもしれない(伊藤 博敏) @gendai_biz
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    kazu_y 2019/07/11
    主義主張がある武士階級のテロ集団も嫌だ
  • 息子を不良少年に殺された母親が、苦しみと向き合い続けた22年間(松岡 久蔵) @gendai_biz

    「犯罪被害者に終わりも退職もないんです」 1997年に兵庫県加古郡稲美町で起きた少年集団暴行事件。当時高校1年生だった長男・聡至さんを亡くした、高松由美子さん(64歳)はこう話す。 事件が発生した当時は、犯罪被害者に対する社会的な保護は現在よりもはるかに弱く、犯罪被害者が別の当事者を支援する場も全国にほとんどなかった。 高松さんは「息子の死を無駄にしたくない」と、当事者にしか分からない苦しみや悔しさへの精神面でのケアなど、犯罪被害者への支援活動に力を尽くしてきた。想像を絶する経験をした高松さんを駆り立てるものは何なのだろうか。 息子の命は、こんなに軽いのか 「まさか聡至が突然いなくなるなんて、思いもしなかった」 高松さんを悲しみのどん底に陥れた事件は、1997年8月23日夜、稲美町の神社で発生した。中学時代の同級生を含む少年10人(当時14~16歳)が、自宅から離れた県立高校で寮生活を始め

    息子を不良少年に殺された母親が、苦しみと向き合い続けた22年間(松岡 久蔵) @gendai_biz
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    kazu_y 2019/06/26
  • 納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか(石川 敬史) @gendai_biz

    納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか 私たちはこの達成をすぐに忘れてしまう そもそも国民の権利は、納税の「対価」なのか 近年、納税額の少ない人間を「税金泥棒」と呼ぶ言説が登場し話題になっている。この興味深い言説が登場した経緯を簡単に振り返ってみよう。 金融庁のワーキンググループによる報告書——「平均的な高齢夫婦の場合、毎月およそ5万円の赤字が続き、退職後の30年間でおよそ2000万円の不足が生じる」、「若いうちから積立、分散、長期の投資などを奨励」——を受けて6月4日に麻生太郎財務相が記者に対して、「100まで生きる前提で退職金って計算したことあるか?」と説教を始めた映像に国民の多くが面らった。 報告書に示される、威圧的な文字列に恐慌を覚えたこともさることながら、なぜこの財務大臣は、「100年安心」という建前を反故にする内容をこうまで偉そうに語ることができるの

    納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか(石川 敬史) @gendai_biz
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    kazu_y 2019/06/24
  • 「俗流歴史本」の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る(呉座 勇一) @gendai_biz

    何が問題になっているのか 今、書店には歴史学の最新成果を無視して作家などが思いつきを綴った「俗流歴史」が溢れている。昨今では百田尚樹氏の『日国紀』(幻冬舎)が何かと話題だが、ここ20~30年ほどで日史学界に対して最も攻撃的だったのは作家の井沢元彦氏であろう。ただ『逆説の日史』などの氏の一連の「歴史ノンフィクション」は、史料に基づかない想像を多く交えており、学問的な批判に堪えるものではない。 そこで私が朝日新聞に連載したコラムなどで井沢氏の著作に対して苦言を呈したところ、氏が反論してきた(『週刊ポスト』2019年3月15日号掲載、『逆説の日史』第1218回「井沢仮説を「奇説」「歴史ファンタジー」と侮辱する歴史学者・呉座勇一氏に問う」)。 これに対し私は、『週刊ポスト』3月29日号で「井沢元彦氏の公開質問状に答える」という記事を書いた。すると井沢氏が『逆説』1221回で「「公開質問状

    「俗流歴史本」の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る(呉座 勇一) @gendai_biz
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    kazu_y 2019/06/13
  • いま「くじ引き民主主義」がヨーロッパで流行中、その社会的背景(吉田 徹) @gendai_biz

    いまヨーロッパでは、抽選によって議員を選ぶ「くじ引き民主主義」が注目を集めている。すでに抽選による選出が行われている例もあるというが、なぜいま「くじ引き」なのか。そもそもくじ引きと民主主義は両立するのか。ヨーロッパ政治に詳しい北海道大学教授の吉田徹さんが解説します。 マクロンが提案した「抽選制」 昨年末から半年以上に亘ってフランス各地で続く黄色いベスト運動を受け、マクロン大統領は4月25日に2時間近くに及ぶ記者会見で、幾つかの改革案を提案した。内容は、選挙制度改革や議員定数の削減、地方分権推進など多岐に渡った。 その中に、少々意外な提案があったことをご存知だろうか。それは、環境問題を討議する新たな評議会の代表や、法案の諮問機関である「経済社会環境評議会」の議員の一部を、市民からの「抽選制」によって選ぶというものである。 繰り返そう。議員を抽選制で選ぶのだ。 日人の目からすると意外な試みに

    いま「くじ引き民主主義」がヨーロッパで流行中、その社会的背景(吉田 徹) @gendai_biz
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    kazu_y 2019/05/19
  • 台湾と金沢、忘れられた2つの「民衆蜂起」が僕らと「関係ある」理由(水越 伸)

    東大教授に無茶ぶりする「お題エッセイ」。今回は「高低差」をテーマに水越伸先生が奮闘しています。東大だから上から目線? そんなヌルい話ではありません。歴史と地理を縦横に往還する力作長編です。ぜひお読みください! 国立政治大学は箱根湯にあった! 2018年の秋、僕は台北にある国立政治大学に2ヵ月あまり滞在した。 この大学は人文社会系に特化した名門校で、日なら一橋大学のようだといえばよいだろうか。メディア・コミュニケーション研究では東アジアで最も有力なコミュニケーション学部(傳播学院)を有している。 この大学のあたりがなんとも素敵なところだった。 台北市南部の文山区に位置し、丘陵地にあって、キャンパスのどこからでも山が見える。日でこんなキャンパスは見たことがなく、あえていえば箱根湯に大学のキャンパスがあるような感じだ。 コミュニケーション学部は、小田急ロマンスカーを降りて須雲川にかかる橋

    台湾と金沢、忘れられた2つの「民衆蜂起」が僕らと「関係ある」理由(水越 伸)
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    kazu_y 2019/05/18
  • 「アメリカの大学生はよく勉強する」は本当か? 実は3人に1人が…(畠山 勝太) @gendai_biz

    アメリカの大学生はよく勉強する」は当か? 実は3人に1人が… トップスクールとそれ以外の「大格差」 アメリカの大学生は勤勉なのか? 米国の大学生はとてもよく勉強するのに、日の大学はまるでレジャーランドのようで学生がしっかり勉強していない――そう考える日教育政策関係者がいる。 日の大学がレジャーランドか否かは筆者の専門外なのでここでは論じないが、日の学生と比較して米国の大学生はとてもよく勉強する、と断言してしまう姿勢には大きな問題がある。 たしかに、アイビーリーグや州立大学旗艦校に代表されるような米国のトップスクールの学生たちは驚くほどよく勉強しており、入学から4年以内に卒業する学生の割合は9割近くに及んでいる。 しかし、米国教育統計センターによると、米国のフルタイムの大学生が6年間で卒業する割合は60%程度に過ぎず、3人に1人は退学しているか、2年以上の留年を経験しており、お

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    kazu_y 2019/04/02
  • 人間爆弾・桜花を発案した男の「あまりに過酷なその後の人生」(神立 尚紀) @gendai_biz

    「桜花」――まもなく満開となる桜のことではない。戦時中の日軍の非常さを象徴する、生還不能の特攻兵器につけられた名である。大型爆弾に操縦席と翼、ロケットをつけ、母機から放された瞬間に搭乗員の死が約束されるこの兵器は、敵の米軍にとって理解不能だったようで、彼らは「Baka Bomb(馬鹿爆弾)」と呼んでいた。 この兵器を発案した男は、終戦直後に死亡したとされたが、生存説もささやかれ、長らくその消息は謎に包まれていた。だが、5年前、遺族から神立さんへ一報があり、戦後、別人として生きてきた詳細な軌跡が判明する。 「特攻兵器『桜花』の生みの親」という過去を消し去って生きた男は、どのような後半生を送っていたのか? 特攻兵器「桜花」の初陣は全機撃墜された いまから74年前、昭和20(1945)年3月21日午前11時20分。鹿児島県の鹿屋海軍航空基地から、「神雷(じんらい)部隊」の異名をもつ第七二一海軍

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    kazu_y 2019/03/23
  • ブレクジットの背後でうごめく「帝国2.0」という奇妙な思想(馬路 智仁) @gendai_biz

    「ブリティッシュ・ワールド」への郷愁 現在、世界中の視線がイギリスに注がれている。同国のEUからの脱退、すなわちブレクジットをめぐる政局が混迷をきわめているためだ。昨日(3月12日)には修正離脱案をめぐる採決が下院で行われ、今後の脱退過程へのその帰結が注目されるところである。 最終的にどのような形での離脱へ至るのか。単一市場をはじめとした、EUのほとんどの規則から離脱するのか(ハード・ブレクジット)、あるいはより穏健でソフトな路線を歩むのか。EU側との条件が折り合わないまま、「合意なき離脱」へ盲進してしまうのか。脱退後、イギリスの政治、経済、文化面における国際的影響力はどのように変容するのか……。 ここでは、少し視点をずらして、ブレクジットの背景でうごめく奇妙で滑稽で不気味な、しかし歴史的にはきわめて淵源の深い、ある一かたまりの「世界構想」を紹介してみよう。それは、20世紀の末以来イギリス

    ブレクジットの背後でうごめく「帝国2.0」という奇妙な思想(馬路 智仁) @gendai_biz
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    kazu_y 2019/03/13
  • 東大から「内定取り消し」を受けた大学教授がどうしても伝えたいこと(宮川 剛) @gendai_biz

    内定通知(!?)とその取り消し それは、2017年1月のことでした。 私は、東京大学教養学部統合自然科学科・学科長、大学院総合文化研究科・広域科学専攻生命環境科学系・教授及び同研究科人事委員会・委員長を務められている先生より、お電話で、私の教授としての採用が決定したことと、着任が6月初旬となる見込みであることを告げ、「来て下さいますね?」というお言葉をいただきました。 私は、「はい、もちろん、喜んで。今後、お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします」と即答しました。 その後、その人事委員長の先生から、「今回の当学科の人事にご応募いただき、ありがとうございました。すでにご連絡いたしましたように、先生に来ていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします」と記載されたメールをいただきました。 上記の連絡を受け、私は人事委員長に東大・駒場キャンパスに招待いただき、着任後に使用する

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    kazu_y 2019/03/01
  • フェミニズムと優生思想が接近した「危うい過去」から学べること(北村 紗衣)

    奇妙なフェミニズムの潮流 私は長いことフェミニストをやっている。フェミニストであることを後悔したことは一度もない。そして、歴史フェミニズムが経験した失敗とか、今だと素っ頓狂に思える今は廃れた理論などについて学ぶのが昔から好きだ。 そんなのはおかしいと思うあなたは、視野が狭すぎる。先達がどういうところで失敗したのかについて学ぶのは、今後の戦略を考える上で重要なことだし、内省のきっかけにもなる。 私はふだん演劇史を研究しているが、少しでも歴史にかかわることを研究したことがある人なら、過去に向き合うことの重要性を知っているだろう。「都合の悪いことには目を向けない」という否認主義的な歴史修正主義は人を幼稚にする。フェミニズムについても同じだ。 一方で、私は自分があまり歴史家らしくないと思うこともある。というのも、私は科学史学会というところに所属しているのだが、科学思想の歴史を研究している人たちと

    フェミニズムと優生思想が接近した「危うい過去」から学べること(北村 紗衣)
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    kazu_y 2019/03/01
    “歴史が良いと言ってくれる側はどっちなのか” それが難しい
  • がん研究者が心の底から「標準治療を選んで!」と訴える理由(大須賀 覚)

    当に、当に、皆さんに知って欲しいことがあって、今回は強い思いを持って、この記事を書きます」 米国在住のがん研究者・大須賀覚先生がここまで訴える「がん標準治療を選択せず、代替医療へ進むことの危険性」とは? がんにかかわるすべての人にとって必読、渾身の記事をお届けします。 ネットや書籍には、がん治療に関した大量の情報があふれています。当に大量です。そしてその情報の中には、病院で行われている標準治療(科学的証拠に基づく最善の治療)を否定して、根拠の明確でない治療を勧めるものが多くあります。 「手術は受けるべきではない」「抗がん剤は患者を殺す」などといって、その代わりに代替療法(効果が証明されていない未承認治療)を勧めます。効くという品やら、事方法やら、体温を上げるやら、がんの専門家からみれば呆れるものばかりです。 これはとてつもなく怖いことです。ネットに広がる情報を信じて、標準治療を

    がん研究者が心の底から「標準治療を選んで!」と訴える理由(大須賀 覚)
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    kazu_y 2019/02/27
  • 突然教員を辞めさせられた、視覚障害をもつ准教授の嘆き(田中 圭太郎) @gendai_biz

    岡山短期大学幼児教育学科の准教授が、2016年3月、視覚障害を理由に「指導能力がない」と教職を外された。准教授は教職への復帰を訴えたが、岡山短大はこれを認めず法廷闘争に発展。18年11月、職務変更を無効とする判決が最高裁で確定し、准教授が勝訴した。 ところが19年1月、岡山短大は准教授の教職復帰を引き続き認めず、事務職として働かせる決定をした。表向きの理由は「授業の担当教員の変更」と説明し、障害が理由ではないという。しかし、その背景に浮かび上がるのは、准教授への差別だ。問題の経緯と、現状を取材した。 岡山短大による職務変更命令は「不法行為」 「教員能力が欠如しているとして授業を外されましたが、裁判所は職務変更が無効だと判断してくれました。にもかかわらず、今年4月以降も私は授業を担当できないのです。私は大学に謝ってほしいわけではありません。以前のように教壇に戻してほしい、ただそれだけです」

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    kazu_y 2019/02/26
  • 沢木耕太郎が70歳を過ぎても「文章の探求」を続けられる理由(石戸 諭) @gendai_biz

    沢木耕太郎という名前はノンフィクションの世界で特別な響きを持っている。ベストセラー『深夜特急』はバックパッカーのバイブルと呼ばれ、『テロルの決算』『一瞬の夏』『人の砂漠』と言った作品群では実験的な手法も駆使して対象を描き切った。 彼はノンフィクションの方法を探求し、その可能性を広げていった。いまは小説家としても活躍する沢木が25年ぶりとなるエッセイ集『銀河を渡る―全エッセイ』、続けて学生時代の卒業論文も収録した『作家との遭遇―全作家論』(いずれも新潮社)を刊行した。文章の探求は71歳の今も続いているという。 なぜ沢木は70歳を超えてなお、否、年を重ねるごとに新しい作品を生み出す意欲を持ち続けているのか。 キーワードは書き手以前の無駄、好奇心、そして書き手になってからの河を泳ぐ力――。 (取材・文:石戸諭/写真:三浦咲恵) 小説に軸足を移した25年間 2018年末、神楽坂にある新潮社の一室で

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    kazu_y 2019/02/21
  • 子どもに対してこれだけはやるな!カウンセラーが明かす逆算の育児法(信田 さよ子)

    子育てが母親の不安を増している 書店を訪れても、インターネット上のサイトを見ても、世の中には実にさまざまな育児書や子育てがあふれていることをご存じでしょうか。 近年ではそれらが子どもの年齢別に細分化され、男の子、女の子、一人っ子、などによってバージョンが違っているのを見ると、ちょっとめまいがしそうな気がします。 またここ数年は、元気な中高年の登場によって、祖父母、ジージ・バーバのための孫育てまで登場しています。 古稀を過ぎた私の子育て時代を振り返ってみると、1970年代には小児科医の書いたが数種類あっただけではなかったでしょうか。それらもいわゆるゼロ歳児期を過ぎると、おおざっぱな心構えを書くくらいで、現代のような手取り足取りといった微細な記述はほとんどありませんでした。 核家族が大量に生まれてはいましたが、私のように身近に祖父母がいないという育児環境に置かれる女性たちは、当時まだま

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    kazu_y 2019/01/25
    “家族療法がITと異なるのは、原因追及をしないという点です。”
  • 東大生やその母親が語る「合格体験記」の信頼性が高くない理由(畠山 勝太) @gendai_biz

    先日、「東大生やその母親が語る教育論、ハーバードの学生やその母親が語る教育論、ないしはエリート校や有名校の校長が語る教育論(以下、まとめて「東大合格体験記」とする)は、エビデンスに基づく教育と比べて、どれぐらい信頼できるのか」と尋ねられることがあった。 稿では、なぜ「東大合格体験記」の信頼性は高いと言えないのか? それにもかかわらず信頼性が高く聞こえてしまうのはなぜなのか? なぜエビデンスに基づく教育は信頼性が高いのか? エビデンスに基づく教育を行えば我が子の学力は向上するのか? について議論したい。 「東大合格体験記」の信頼性は高いと言えない 「東大合格体験記」の信頼性が高いと言えない理由は、義務教育の理科の知識があれば理解できる。 中学理科で習う「光合成対照実験」を覚えているだろうか(参照: https://www.zkai.co.jp/jr/mihon/VS1_support.pd

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    kazu_y 2019/01/23
  • ビル・ゲイツ大絶賛の書が私たちに投げかける「重要な問い」(上杉 周作) @gendai_biz

    いきなりだが質問だ。 まず、下に記したアジア9ヵ国の名前を見てほしい。 ・タイ ・中国 ・ベトナム ・インドネシア ・モンゴル ・ミャンマー ・カンボジア ・ネパール ・フィリピン では、この9ヵ国のうち、女性ひとりあたりの子供の数、すなわち「出生率」が平均「3以上」である国は、何ヵ国あるだろう? 難しいだろうか? では、ヒントを出そう。各国の2017年の中央年齢は以下の通りだ。 中央年齢とは、その年齢より上の人口と下の人口が半数ずついるということ。たとえばフィリピンでは、国民の半数以上が24歳以下だ。ちなみに、日の2017年の中央年齢は47歳で、出生率は1.43だ。 これをもとに、「出生率」が平均「3以上」なのは、9ヵ国のうち何ヵ国か考えてみてほしい。 正解は後述する。先に、なぜこんな質問をしたのか説明しよう。 入管法改正で日にやってくるのはどんな人たちか 昨年に入管法が改正され、日

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    kazu_y 2019/01/16
  • なぜ「縄文」は、世界史上でも「ユニーク」な文化と言われるのか(山田 康弘)

    いま、「縄文」がブームである。2018年には、ドキュメンタリー映画『縄文にハマる人々』が話題を呼び、東京国立博物館で開催された特別展『縄文——1万年の美の鼓動』の来場者数は35万人を超えた。1月17日刊行予定の『縄文時代の歴史』(講談社現代新書)は、縄文時代の通史の決定版だ。著者の国立歴史民俗博物館教授・山田 康弘氏に「縄文」をめぐる7つの疑問にお答えいただいた。 縄文土器、あの模様に込められた意味は? Q1:の中に、「縄文時代に恋愛結婚はなかった」とありましたが、どういうことでしょう? なぜ、そのようなことがわかるのですか? A1:人口数の少なかった縄文時代には,1つの集落(ムラ)ですべての料や物資、人的資源が調達できるような、完結した集落はなかったと考えられます。集落を維持するには、近隣の集落などと物資や情報の交換をしていくことがぜったいに必要でした。 そして、そのような交換を行う

    なぜ「縄文」は、世界史上でも「ユニーク」な文化と言われるのか(山田 康弘)
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    kazu_y 2019/01/11