東日本大震災後、東京など都市部で自転車通勤が見直されていることに伴い、通勤向けの自転車が人気を集めている。こうした動きに百貨店や紳士服専門店も敏感に反応。自転車通勤用のスーツを相次いで投入するなど商機を逃さず、新たなジャンルの一つに育てたい考えだ。 ブリヂストンサイクル(埼玉県上尾市)では、3月に発売した通勤向けの自転車「ビレッタ」が好調だ。スポーツタイプながら荷物かごを備えたタイプもあり、前シーズンの通勤向け車種と比べて出荷台数は約3〜4割増のペースという。パナソニックサイクルテック(大阪府柏原市)も震災後、全国の小売店向けの自転車の出荷台数が前年比で約2〜3割も増えた。 「自転車はここ数年、健康や環境への意識の高まりで注目されてきたが、震災の影響が加わった可能性もある」(ブリヂストンサイクルの担当者)といい、大震災で電車や車での帰宅が困難になったことを教訓に、自転車通勤に切り替えた