最近、ちまたで話題の『フリー』(NHK出版)という本を読んだ。筆者は、米国のハイテク関連ライフスタイル誌「Wired」の編集長であるChris Anderson氏。350ページの硬い印象のビジネス書だが、2009年11月の翻訳版出版後、ベストセラーになっている。 インターネットの世界では、多くのサービスを無料(フリー)で利用できる。国内でも、ミクシィやグリーのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など、多くのサービスが無料で使える。無料サービスは、かなり昔からある。基本的に無料で視聴できるテレビやラジオは代表例だろう。 ものづくりでも“無料”は身近に 『フリー』は、いわゆる“フリービジネス”が「なぜ利用料を無料にできるのか」「その威力や本質はどこにあるのか」を、歴史の流れの中で実例を示しながら解いている。人数限定ではあったが、この本自体も発売前にインターネットで全編を無料で公開し