米Facebook(フェイスブック、現Meta)などが発表したDiem計画(旧称Libra)は、ステーブルコイン規制の国際的な議論を活発化させた。計画は事実上撤回されたが、暗号資産市場では企業やスマートコントラクトによりDiemとは別種のステーブルコインが相当量発行され、パブリックブロックチェーン上の分散型金融での取引に用いられている。 ステーブルコインには、発行主体の種類、流通するネットワーク、価格安定の仕組みなどに様々なバリエーションがある。また、期待されるメリットやリスクも、バリエーションにより異なってくる。本稿では、代表的なステーブルコインの特徴や仕組みを解説し、そのメリットやリスクに関する国際的な議論を紹介するとともに、決済サービスにおける役割と課題について考察する[1]。 暗号資産取引で利用が進むステーブルコイン ステーブルコインの定義は多様だが、本稿では便宜上、「支払いや投資