政財界をはじめ、数多のエリートを接待する銀座のクラブ。超一流クラブのママたちは将来の出世頭をどう見分けるのか。 ■情熱的で努力家でまず目が違う 夜の灯がともると、銀座はまったく別の顔を見せる。主役はもはや表通りのブランド店ではない。日本の好況不況を潜り抜け、灯をたやさずに看板を掲げてきたクラブという存在と、そこで働く女性たちだ。女性たちはもちろん、日本の浮沈とともに、幾多の男たちの浮き沈みも見ている――。そんな一流クラブのママに「出世する男」の特徴を聞いてみた。 「私がお客様について、あれこれ言うのは僭越ですが……」と口調は上品だが、ママたちの金言は鋭い。いずれも銀座の水に鍛えられ、百戦錬磨の女性たちだ。男性だけでなく、人間観察のプロでもある。 吉行淳之介、遠藤周作、柴田錬三郎など、名だたる文化人が通ったクラブである魔里の大久保マリ子ママはこんなふうに語ってくれた。 「出世する人