いま、世の中には「ほめて伸ばす」ことを標榜した子育て本があふれている。本書は、それを実践している親御さんにこそ、読んで欲しい一冊だ。子育てに答えはない。同じ主張の本ばかり読むよりも、違う意見に耳を傾ける余裕こそが大切だと私は思う。最悪なのは、入れ知恵されて子供を操縦しようと考えることだ。おそらく本書には、ほめる子育てを実践中の方をニュートラルに戻す効用がある。その状態を「迷いが深まった」というふうにとらえる人もいるかもしれないが、私はむしろ、それが子育ての正常な姿だと思う。子育ては単純なものではなく、一筋縄ではいかない千差万別なものなのだ。本書を書くにあたり、著者は「ほめて伸ばす」子育て本を数冊検討したそうだ。 結局、子育ての日々に疲れて、イライラしたり怒りを爆発させてしまいがちな親に向けて、冷静に叱れるようなヒントを示している内容なのだ。だが多くの人は中身は読まずにタイトルばかり目にする
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