集落の転作を一手に引き受け、収穫した農産物の加工・販売で収益を確保するのは、愛媛県西予市宇和町新城地区の有限会社新城生産組合だ。15ヘクタールで栽培する大豆は、ほとんどを豆腐をメーンとする加工原料に使い、大豆加工品の売り上げは年間3千万円にも及ぶ。代表の渡邊邦広さん(58)は「毎月現金収入が得られる加工に重点を置き、特定農業法人として集落の転作を請け負いながら、会社経営を継続していく」と話す。 自社産大豆100%の豆腐は木綿や絹、おぼろ豆腐などをそろえ、地元の第三セクターが運営する直売所「どんぶり館」や加工場で販売する。どんぶり館での値段は1丁(約400グラム)165円だ。また、松山市のホテルやレストラン、学校給食などにも出荷している。 生産組合の加工部門「豆道楽」が、日曜日以外、毎朝4時半から製造する。1日に作る350丁の豆腐はほぼ完売だ。豆腐用だけで年間20トンの大豆を使用。豆腐は