カバラ学者・神秘家イサク・ルリア師の墓に手を触れながら祈るイスラエルの兵士と超正統派の男性Photo: David Silverman / Getty Images 発掘されたなかで興味深いのが、ヨシュア・イブン・ヌンの墓だ。イサク・ルリア師の書をひそかに持ち出し、カバラ文献を世界にもたらした医師だ。 ルリアの死後、その一番弟子ハイム・ベン・ヨセフ・ヴィタルは、師の説教を友人たちと書き留めるという生涯の使命に着手する。 ルリアの死から3年後の1575年、ヴィタルと他の弟子たちは、次のような誓約書に署名する。 「われわれは(師から)拝聴した秘密をけっして他の仲間には明かさない。……また(ヴィタルの)許可なしに明かすことはできない」 ステパンスキーはこう説明する。 「17世紀初めの史料によれば、ヴィタル師の『ルリア文書』を最初に広めたのは、ヌンでした。ヴィタルの兄弟に賄賂を渡し、ヴィタルの家か