書籍取次大手のトーハンが、週刊金曜日取材班と古川琢也氏の共著『セブン−イレブンの正体』の配本にストップをかけたことが、師走の出版業界に波紋を呼んだ。批判されたセブン−イレブンが自らの店先から同書を締め出すならわかるが、なぜ、出版流通の元締めのトーハンが配本を拒絶するのか。関係筋によれば「セブン−イレブンの盟主である鈴木敏文氏がトーハンの取締役副会長を務めており、その告発本を扱うわけにはいかないと週刊金曜日側に通告してきた」という。 セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木氏は中央大学卒業後、東京出版販売(現トーハン)に入社。30歳前後でイトーヨーカ堂に転じ、セブン−イレブンを日本一のコンビニチェーンに育て上げたことはよく知られている。全国約1万2千店のセブン−イレブンを支配し、トーハンの副会長を兼務する鈴木氏に対する批判は出版業界のタブーとされてきた。ある大手出版社の役員は「鈴木会長の逆鱗