中高年のひきこもりの人がいる家族はいたたまれない思いをしているにちがいない。 元農林水産事務次官(76)が無職の長男(44)を刺殺した容疑で逮捕された。川崎市で長年ひきこもっていた男(51)が児童ら20人を殺傷し、自殺した事件に触れ、「長男も人に危害を加えるかもしれないと不安に思った」と述べているという。 川崎の事件後、ネットでは「死ぬならひとりで死ね」という書き込みや、ひきこもりを犯罪者予備軍のように見る意見があふれ、論争が起きている。 しかし、ひきこもりだからといって事件を起こすわけではない。家庭内暴力や「ぶっ殺す」など物騒なことを口走ることがあったとしても、ひきこもりの人が家族以外の他者に危害を加えることはめったにない。 偏見や異端視はかえって本人や家族を追いつめることになる。冷静で正しい情報を社会が共有することが大切だ。 40~64歳でひきこもり状態の人は推計61万3000人に上る
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