This URL was moved The requested URL http://web.sfc.keio.ac.jp/~codama/blog/2007/03/post_46.html was moved to http://web.sfc.keio.ac.jp/~n05907ak/blog/2007/03/post_46.html.
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 前触れもなく突然「自由意志」という言葉を使っているとはいえ、なにも殊更に哲学的な考察を行おうというつもりはないのですが、こうも最近読む本のなかに「自由意志」に関する記述が行われているのを目にしてしまうと、一言でも何か言わなきゃいけないような気にもなったりします。 意思決定はタイミング?特に昨日書評を書かせていただいた池谷裕二さんの『進化しすぎた脳』で紹介されている、2005年の『サイエンス』に掲載されたという論文のヒルを使った意思決定のメカニズムに関する実験の結果などを知ってしまうと、果たして「自由意志」などというものは本当に存在するのかと疑ってみたくもなります。 この実験では、シャーレの底にいるヒルの体を棒でつつくという行為を行います。その際、つつき方はまったく同じでもヒ
科学者にも哲学者にも解けなかった「意識の謎」とは何か? 赤いものを見ると、脳のニューロンに電気インパルスが流れ、「赤い」という感覚が生じます。 この、赤い色を見たときに脳内のニューロンに流れる「電気信号自体」は、「赤い」という「感覚そのもの」ではありません。 もちろん、(1)ニューロンの発火と(2)赤いという感覚の発生は、因果関係もしくはなんらかの対応関係がありますが、両者は別物です。 つまり、脳のニューロンの活動を、分子レベルでどんなに精密に観察しまくっても、「赤い」とか「冷たい」とかいう「感覚それ自体」は、どこにも見つからないのです。 どんなに精密な機械で調べても、活発に電気インパルスを飛ばし合い、シナプスから神経伝達物質を放出しているニューラルネットワークが見えるだけです。*1 では、この「赤い」とか「冷たい」とかいう感覚が、ニューロンの分子と電子の活動パターンという物理化学的なもの
ヒトとロボットの心の研究 「意識」は受動的だろうか? 慶應義塾大学理工学部 前野 隆司 目次 はじめに(挨拶) 概要 著書・論文・講演論文 Q&A はじめに (ごあいさつ): 「心」の解明は,「宇宙」の解明と並んで人類最大の関心事かも知れません。私も,「ヒトの心はどのように作られているのか!?」「ロボットの心はどのように作ればいいのか!?」について考えているうちに,普通とは違うちょっとおもしろいヒトの心のモデルをある日(2002年の秋)ふと思いつきました。「受動意識仮説」「心の地動説」「川の下流にいる私」などと私が呼んでいるものです。これはもしかしたらすごいかも,と悦に入りつつ周辺研究を調べてみると,カリフォルニア大学サンフランシスコ校脳神経科学専攻のLibet博士が,同様な結果を既に発表していました。また,哲学や心理学の世界では似たような考え方が既にあるようで
ユーザーイリュージョン―意識という幻想 スポンサード リンク ・ユーザーイリュージョン―意識という幻想 ■情報とは生成するまでに捨てた情報量と生成の難しさである デンマークの科学ジャーナリストが著した、意識をめぐる情報科学の本。歴史的名著といっていいのではないだろうか。個人的には、ここ数年で最も面白かった。★★★★★。 前半は情報科学の歴史が総括される。情報とは何かというテーマについて、近代~現代の科学者、思想化家たちがどのように定義してきたかの変遷を概観する。 20世紀前半の情報の定義で有名なのは、クロード・シャノンによる情報エントロピー理論である。”情報量”という概念を導入し、通信ケーブルを流れるビット数でその量を計測できるとした。情報量が多ければ多いほど、情報の不確実性が低くなり、間違いなく情報を伝達することができる、という考え方だ。 シャノンは情報通信企業の技術者でもあった。広帯域
この原稿が掲載されたときには『マトリックス・レボリューションズ』は既に公開されている。さて、どんな話になっているのか楽しみなのだが、前作『リローデッド』のテーマを読みとっていない人があまりに多いように思う。「世界が仮想現実だったら?」というのが第一部のテーマだとしたら、第二部のテーマは「ではその仮想現実の中での自由意志は本当に自由な意志なのか?他者によって操作・方向づけされた自由意志ではないのか? 世界そのものが他者によってコントロールされているとき、その中で自由意志は存在できるのか?」ということだった。 ここでいうコントロールの主体は特定のプログラムのことだけではない。「マトリックス」の世界では、中のオブジェクトのふるまいは必然的にコードで規制されている。ログインしている人間も同じだ。つまり、世界そのものが最初から完全に自由なものではない。 いっぽう物理世界での物体のふるまいは、物理法則
1年ぶりくらいにノートPCを起動したら、立ち上がらない件について。 メインのデスクトップPCを組み直そうかなーという気分なので、その間アクセスできる環境がないと困るわけですが(日記も書けないし?)、なんかずっとほっといたら機嫌を損ねてしまった様子でございます。明日にでも修復セットアップしてみよう。でも毎日使っててこれじゃなくてほっといたらコレって、なんかハードっぽいなー、という気がしないでもない。HDD自分で交換できたっけかなこのノート。 ポジティブシンキンだと、いまはメイン組み直しはやめときな!ってことなんでしょうけど。(であれば、またしばらくしてノートPCの電源を入れてみれば、まるで何事もなかったように動くはず?) 本日、エントリーごとにはてなブックマークコメントをその場で表示する機能を追加しました。管理 > 設定 > 記事の設定 の表示設定『「このエントリーのブックマークコメント」ア
このブログでは過去に何回か「自由意志」をネタにしたエントリを書いたことがありますが、もう何を書いたのか忘れているので、あえて読み返さないでまた書いてみます。 さて、まず「自由意志」の定義です。とか言うとおおげさになるので、まぁふつうに、「いろいろな状況に際して、アレをするコレをするなど、自分の判断で行動を選択できること」くらいにしておきます。お昼に何を食べるかとか、休みの日にどこへ行くかなどを、自分で決められること。まぁそんなでいいでしょう。 で、人間の精神とか意識とか、そう言われているものについて。これは、現在の脳科学では「脳活動の随伴現象」という解釈が主流だと思われるので、ここでもその説を採ります。随伴現象、したがいともなう現象とは、まぁ自動車のエンジンと速度計みたいな関係ですね。エンジンの回転が上がれば速度計の針も動く。しかし針を指で動かしてもエンジンの回転は上がりません。そういった
お堅いタイトルだが、ニューヨーク・タイムズに自由意志(free will)に関する非常に面白い記事が紹介されていた。原文記事はこちら。 自由意志はない。この記事では、冒頭、「自由意志はない」と考えている学者のコメントが紹介してある。そして、意識と無意識の関係や、現代科学全体が抱えている問題などに話題が膨らむ。そして、最後は倫理問題や人生の話題にも及ぶ。 以下、長くなるが、この記事の内容を紹介してみる。(原文を読んだ方が早い&正確かも?です。。。) --- 自由意志はない 「自由意志はない」ことを、最近の実験が示唆しつつある(証明されたわけではない)、ということを受けて、有名人(故人も含む)のコメントがまず紹介してある。 まず、Michael Silbersteinという哲学者は 「自由意志は幻か?それが問題だ」 (Is it an illusion? That's the question
Q1:飲茶さんは、 「『機械的な部品』にすぎない脳細胞がどんなに集まっても、 なぜクオリアが生じるのか説明ができない」 と言っていますが、 たとえば、車のエンジンは、『機械的な部品』が集まってできたものですが、 エンジンをどんなに分解しても、「車が走るという現象」はでてきません。 脳とクオリアの関係も、これと同じで、 説明できなくても当たり前ではないでしょうか? つまり、クオリアを問題にしている人たちは、 「エンジンを分解したのに『車が走る』という現象がどこにもないぞ」 と大騒ぎしているのと同じではないでしょうか? A1:いいえ、ちがいます。たしかに、エンジンを調べても、 「車が走る」という「現象そのもの」は出てきませんが、 「車が走る」という「機能の仕組み」は説明はできます。 たとえば、「なぜ車が走るのか。それは、エンジンの中でガソリンが爆発して、 その力がシャフトに伝わり、タイヤを回す
はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28
2006年10月28日15:00 カテゴリLove 不死の本当の意味 それは、彼らが「もし自分が死せざる存在になったらどうなるか」まで考えたからだ、と言っては彼らを持ち上げ過ぎだろうか。実際死に関する彼らの考察は多くとも、不死に関する考察はあまりないのだから。 分裂勘違い君劇場 - 「人は必ず死ぬ」はどこまで本当か? しかし、不思議なことに、彼らが、「死を避けるための具体的な方法」を検討した形跡はあまり見られません。 そんなに死ぬのがいやなら、なぜそれを避けるための「具体的な方法」を、検討してみないのでしょうか? まず、死とは何だろう。 これを最も的確に述べたのは、Steve Jobsかも知れない。 404 Blog Not Found:はてなに入りたくても入れないみなさんへ#2 から孫引き Death is very likely the single best invention of
たとえば、id:finalvent氏、中島義道氏、そして日本における最も偉大な哲学者の一人である大森荘蔵氏などは、「自分がいつか死ぬこと」という、ごく当たり前のことに対して、「発狂しそうになるほどの恐怖」を感じている(いた)ようです。 彼らは、いずれも、死にまつわる膨大な思索を重ねています。 それほどに、死は、彼らにとって重大な問題なのです。 しかし、不思議なことに、彼らが、「死を避けるための具体的な方法」を検討した形跡はあまり見られません。 そんなに死ぬのがいやなら、なぜそれを避けるための「具体的な方法」を、検討してみないのでしょうか? 人間の老化とは、究極的には人体を構成する細胞の老化です。 細胞とは、DNA、RNA、アミノ酸等の分子を組み立てて作った分子マシーンであり、その分子構造が、少しずつ破損したり、歪んだり、老廃物がたまったりして劣化いくのが、老化です。*1 そして、このまま人
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く