厳しい経営が続く第三セクターくま川鉄道(本社・人吉市)は22日、赤字の埋め合わせを関係自治体で負担するかどうかの検討を始めた。これまでは同社の貯金である「人吉球磨地域交通体系整備基金」を取り崩して赤字を補ってきたが、基金が残り少なくなり、補填(ほ・てん)の新たな仕組み作りを急ぐという。 同日開かれた関係市町村長らによる取締役会で申し合わせた。また、基金のうち住民有志の拠出金約8900万円を使うことが可能かを各自に確認する方針も決定。この拠出金は取り崩せない決まりになっており、仮に同社が解散する場合はそれぞれに返す必要がある。 赤字補填用に取り崩せる基金残高は2008年度末に約1億8900万円まで減り、さらに09年度末で約1億2400万円に。このままのペースでは、あと2年で底をつく可能性もあるという。 同社会長の田中信孝・人吉市長は「自治体が負担するのか、他に原資があるのか、検討を進め