三菱東京UFJ銀行が独自の仮想通貨の開発に乗り出したのは、その中核技術である「ブロックチェーン」の活用を進める足がかりにするためだ。金融取引だけでなく、さまざまな分野でのデータ管理のコストを劇的に引き下げる可能性がある新技術で、ITを活用した新しい金融サービス「フィンテック」の本命として、欧米の金融界やIT業界で注目されている。 三菱東京UFJを傘下に持つ三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、決済や資産管理などの分野で先進的なアイデアや技術を持つ企業との連携策を打ち出すなど、フィンテックに力を入れ始めている。海外でも、ブロックチェーンを活用した同様の仮想通貨の開発に取り組んでいると伝えられるのは、米大手のシティバンク銀行くらいだ。三菱東京UFJは先月始めた行内検証で、外部からのコンピューター攻撃への対策などを検討。他行と膨大な資料を交わす協調融資の組み立てやその債権の売買に活用