だいぶ時間が経ったものの、未だ衝撃がおさまらない“盲導犬の傷害事件”。しかし実際の罪は“器物破損”止まりだということも含めてこの問題、逆にもう少し引きずりたい気がする。 その後に全盲の女子生徒が駅で蹴飛ばされるという事件が起きて、日本人のモラルの低下を決定づけたが、この2つの“犯罪”は根っこにあるものが違う。どちらも許されざる行為だが、ひとまとめに語ることはできない気がしたのだ。 全盲の女子生徒を傷つけた犯人は、白杖に自らつまずき、単純に切れたのだ。しかし盲導犬を傷つけた犯人の場合は、そのための凶器を持っていたことからも、そう考えたくはないけれど、ひょっとすると計画的だったかもしれない。 マスコミは盲導犬がそういう場面でも声を出さぬよう訓練されているから、ある種の愉快犯なのではないかという見方をするが、おそらくは単なる愉快犯じゃなく、そこに至らしめたものは、“嫉妬”ではなかったかと思うのだ