岩手県遠野市でスペイン野菜「パドロン」の生産が増えている。大手スーパーが一部店舗で販売を始めたことから、昨年の倍以上となる5トンの収穫を目指す。素揚げして食べるのが一般的でビールとの相性が抜群。生産組合代表の吉田敦史さん(42)は「日本で珍しいうちに、遠野を一大産地にする」と意気込む。 パドロンの見た目は、ピーマンに似ている。とろっとした食感と、ほのかな甘みが特徴。スペインでは素揚げして塩をまぶした料理が、ビールのつまみの定番となっている。市の重点品目で、7~9月に収穫期を迎える。 吉田さんは2012年に生産を始めた。国内ではほとんど作られておらず、「枝豆と並ぶビールにぴったりの野菜」として、調理法と共に売り込む戦略を思い付いた。 大手ビールメーカーの農業経営者育成プロジェクトに参加した経験を生かし、飲食店向けPRに力を入れている。14年7~9月には全国展開のビアレストラン「キリンシ