◎前回までのあらすじ ジェピー社長の財部益男は、妻の美智代を伴ってニューヨーク行きの飛行機に乗った。アメリカの電子部品大手、UEPCのCEOの招待だった。“憧れ”の会社から自分に声がかかったことで、益男は有頂天になっていた。美智代はそんな夫の姿を見て不安に駆られていた。 益男がニューヨークのUEPCトップと面会することは、ジェピー社内では誰も知らなかった。ジェピー経理部の部長、団達也は益男と連絡が取れずにいた。 ジェピーに資金を提供しているイギリスの投資ファンドは、金融危機の影響でリストラを始め、ジェピーに対する貸付金を他社に売りたいと言っていた。そのファンドの窓口は、達也の旧友、ジェームスだった。「2カ月後に業績が改善しなければ債権を、改善したら株式をリンダの会社に譲渡せざるを得ない」。ジェームスは達也にこう言った。 アメリカの投資ファンドの日本支社長であるリンダは、ジェピーが持つ特許権
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