ロシア軍が5月9日の対独戦勝記念日に合わせてウクライナ北東部で始めた攻勢は、ウクライナ側の国境地帯を広く深く占領して、国境から40kmのハルキウ市に重砲を近づけることが狙いだったのかもしれない。あるいはもっと野心的に、ハルキウ市自体に進軍することまで司令部は目論んでいたのかもしれない。 だが、どちらも実現しなかった。攻勢開始から2週間のうちに、ロシア軍のおよそ3万人規模の攻撃部隊は国境から数kmの小さな都市ボウチャンシクで行き詰まった。 そしてこのほど、ウクライナ軍の機械化旅団や海兵旅団、空中強襲旅団など数個旅団の一部からなる防御部隊は、ロシア軍の精鋭空挺旅団を撃破したもようだ。 ウクライナの有名な通信員、ハンドルネーム「ニコラエフスキー・バニョク」(編集注:テレグラムではロシア語で投稿している)の報告によると、ロシア空挺軍の第83独立親衛空中襲撃旅団は3週間にわたる展開で大きな損害を出し