ピーター・ドラッカー氏 「顧客が何を求め、何を必要としているかを探求することが最も大切だ」(時事通信フォト=写真) 1981年、ピーター・ドラッカーはニューヨーク大学で「大規模組織内で増大する複雑性の管理」と題した講演を行った。自動車産業や銀行業などから引き出した教訓を用いて、「本当の挑戦は」巨大な「技術の変化や市場の変化」を前にして「自分たちがこの先何をするかを決めること」だとし、そうした世界でうまく対処していくための挑発的な処方箋を示した。 だが、例によって、ドラッカーは答えを与えただけではなく、次の問いを投げかけたのだ。「古さのなかにわれわれはどのようにして新しさを形成するのか?」「経営管理者の内なる起業家精神をあなたはどのようにして形成するか?」、いくつもの文化にまたがる広い地理的範囲で活動している多国籍企業では「どのようにして結束を維持するか?」。 ほとんどの企業が時代遅れのモデ