川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(正確にはその表題作「わたくし率 イン 歯ー、または世界」)と高原英理『神野悪五郎只今退散仕る』(どっちも長い題だなー)を続けて読んで、両者がともに 「若くして疎外された経験を背負った人間の、認識の歪み」 の話であることに驚きました。そして両者が真逆の方法を取っていることが新鮮でした。以下、なにかの下書きとして書きます。 【警告】両作品について激しくネタバレしています。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 「わたくし率 イン 歯ー、または世界」のクライマックスで、青木の女がマジギレして っていうか何やねんこのブスは〔…〕わたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしうるさいんじゃぼけなすが。おまえ何千回わたしわたしわたしゆうとんねんこら。いっかいゆうたらわかるんじゃ。わたし病かこら。 で始まる6頁近いキツーイ言葉攻撃を〈わたし〉に