自民党総裁選を終え手を取り合う、(左から)野田聖子幹事長代行、菅義偉首相、岸田文雄新総裁、高市早苗前総務相、河野太郎規制改革担当相=2021年9月29日、東京都港区 河野氏「想定外の大惨敗」の意味 世論調査で「次の首相」のトップを独走し、自民党総裁選の本命とみられた河野太郎氏が惨敗した。党員票は1位だったものの、得票率は44%にとどまった。国会議員票では高市早苗氏にも及ばす3位に沈んだ。第1回投票から岸田文雄氏に首位を奪われる「想定外の大惨敗」だった。決選投票は岸田氏に大差で敗れた。 河野フィーバーは起きなかった。敗因ははっきりしている。自民党のキングメーカーである安倍晋三氏が「河野政権は断固阻止」を掲げ、立ちはだかったことだ。 安倍氏は国家観や歴史観をめぐる右寄りの政治信条が極めて近い高市氏を擁立して全力支援するとともに、ハト派の宏池会会長でありながら安倍氏に従順な岸田氏とも気脈を通じ、