著者:中島 らも出版社:白夜書房装丁:単行本(284ページ)発売日:2006-08-01 ISBN-10:4861911869 ISBN-13:978-4861911866 笑いをめぐるラディカルな思考を展開中島らもが転落死して二年(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2006年)。その後も著作は何冊も出たが、本書こそ彼の〈最後の作品〉の名にふさわしい。総合誌「論座」に連載された評論「笑う門には」を収録しているからだ。笑いをめぐるこのエッセーは、中島らもの実質的遺言ともいうべきラディカルな思考を展開している。 中島らもは「笑いとは『差別』だ」と断言する。同じことをフランスの劇作家で映画監督のマルセル・パニョルはこう表現していた。「笑いとは優者の劣者に対する優越的感情の爆発である」 例えば「センセーショナリズムとピーピング趣味とサディズムと吉本の芸人で成立しているテレビ番組」を見