タグ

ブックマーク / allreviews.jp (20)

  • 『何がおかしい―笑いの評論とコント・対談集』(白夜書房) - 著者:中島 らも - 中条 省平による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:中島 らも出版社:白夜書房装丁:単行(284ページ)発売日:2006-08-01 ISBN-10:4861911869 ISBN-13:978-4861911866 笑いをめぐるラディカルな思考を展開中島らもが転落死して二年(ALL REVIEWS事務局注:書評執筆時期は2006年)。その後も著作は何冊も出たが、書こそ彼の〈最後の作品〉の名にふさわしい。総合誌「論座」に連載された評論「笑う門には」を収録しているからだ。笑いをめぐるこのエッセーは、中島らもの実質的遺言ともいうべきラディカルな思考を展開している。 中島らもは「笑いとは『差別』だ」と断言する。同じことをフランスの劇作家で映画監督のマルセル・パニョルはこう表現していた。「笑いとは優者の劣者に対する優越的感情の爆発である」 例えば「センセーショナリズムとピーピング趣味とサディズムと吉の芸人で成立しているテレビ番組」を見

    『何がおかしい―笑いの評論とコント・対談集』(白夜書房) - 著者:中島 らも - 中条 省平による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2023/12/30
    “笑いを尖った鉛筆で刺す!らもファンに捧ぐ、らもさんの最後の連載評論「笑う門には」、全文掲載。”
  • 『地図の遊び方』(筑摩書房) - 著者:今尾 恵介 - 岸本 葉子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:今尾 恵介出版社:筑摩書房装丁:文庫(268ページ)発売日:2012-01-01 ISBN-10:4480429042 ISBN-13:978-4480429049 内容紹介: 地図を眺めることが大好きな著者が、さまざまな地図の見方を伝授する。百年前は競馬場だった大学や東京よりハノイに近い日の島がある!イタリアの地図はミュンヘンがモナコ-など、日と世界の政治文化歴史にまつわる諸事情が見えてくる。そんな奥深い地図の世界を一挙紹介する。身近にある地図で、あなたも新たな発見ができるかも。 地図遊びのすすめ著者の今尾恵介氏は、地図オタクらしい。それも、よけいなことが書いていない、官製地図がいいという。 中学生の頃より、国土地理院の地形図をひとりで眺めては悦に入り、やがて外国モノに手を出して、カタログで個人輸入するまでに至った。 この楽しみを皆さんにも、というのが『地図の遊び方』(けや

    『地図の遊び方』(筑摩書房) - 著者:今尾 恵介 - 岸本 葉子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2022/09/22
    “書き手:岸本 葉子”
  • 『独りでいるより優しくて』(河出書房新社) - 著者:イーユン・リー 翻訳:篠森 ゆりこ - 角田 光代による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:イーユン・リー翻訳:篠森 ゆりこ出版社:河出書房新社装丁:単行(ソフトカバー)(392ページ)発売日:2015-07-02 ISBN-10:4309206751 ISBN-13:978-4309206752 毒のように作用する過去北京に生まれ、大学卒業後に渡米し、英語小説を発表し続けている作家イーユン・リーの、新作長編小説である。 主要な登場人物は三人。孤児の如玉(ルーユイ)、彼女に恋する泊陽(ボーヤン)、彼の幼なじみ、黙然(モーラン)。三人が高校生のとき、如玉が下宿していた家の、年上の少女が毒を飲む。彼女は政治的理由で大学を退学になり、就職も絶望視されていた。一命は取り留めたものの、損傷された脳は戻らず、寝たきりの生活を余儀なくされる。 この毒を持ちこんだのはだれか。そもそもこれは、自殺未遂なのか、殺人未遂なのか。事件は解明されない。事件にかかわった三人の高校生は、そのことにつ

    『独りでいるより優しくて』(河出書房新社) - 著者:イーユン・リー 翻訳:篠森 ゆりこ - 角田 光代による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2022/02/11
  • 『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP研究所) - 著者:樋口 裕一 - 豊崎 由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    何気ない会話に、その人の知性が現れる。難しい議論をしたわけではない、他愛のない世間話をしただけなのに…。社会に出れば話し方ひとつで、仕事ができるかどうか判断されてしまう。書では、… 何気ない会話に、その人の知性が現れる。難しい議論をしたわけではない、他愛のない世間話をしただけなのに…。社会に出れば話し方ひとつで、仕事ができるかどうか判断されてしまう。書では、巷にあふれる愚かな話し方の実例をあげ、その傾向と対策を練る。「知ったかぶり」「矛盾だらけ」「繰り返しが多い」「具体例がない」「説教癖」など、思わず身近なあの人の顔が浮かぶ。そして、あなた自身も「バカに見える話し方」をしているのだ!文章指導のプロが「書くこと」と「話すこと」の共通項を見つけ、痛快に綴る。 トヨザキ的評価軸: 「金の斧(親を質に入れても買って読め)」 「銀の斧(図書館で借りられたら読めば―)」 ◎「鉄の斧(ブックオフで1

    『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP研究所) - 著者:樋口 裕一 - 豊崎 由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2022/01/28
  • 『がん患者学〈1〉長期生存患者たちに学ぶ』(中央公論新社) - 著者:柳原 和子 - 岸本 葉子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:柳原 和子出版社:中央公論新社装丁:文庫(477ページ)発売日:2004-03-01 ISBN-10:4122043433 ISBN-13:978-4122043435 内容紹介: 現代医療から見離された患者たちは、何を考え、いかに生きてきたのか?手術、抗がん剤、放射線治療などによる医療のみが、がんからの生還の道なのか…?自らががん患者となり、三年間の闘病生活を体験した著者が、長期生存患者を訪ね、ともに苦悩し、ともに思考した、渾身のノンフィクション。 がん患者となって分厚いだ。でも、できれば最初から通して、読み遂げていってほしいと、読者に呼びかける。『がん患者学』(柳原和子著・晶文社)の「まえがきにかえて」。 母親と同じ齢に、同じがんにかかった著者が、告知から三年間をかけて著した(ALL REVIEWS事務局注:書評執筆時期は2000年)。 やすらかに死にたい。あわよくば、……治

    『がん患者学〈1〉長期生存患者たちに学ぶ』(中央公論新社) - 著者:柳原 和子 - 岸本 葉子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2021/09/21
  • 『ヰタ・セクスアリス』(新潮社) - 著者:森 鴎外 - 中野 翠による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:森 鴎外出版社:新潮社装丁:文庫(182ページ) ISBN-10:4101020035 ISBN-13:978-4101020037 内容紹介: 哲学講師の金井湛君は、かねがね何か人の書かない事を書こうと思っていたが、ある日自分の性欲の歴史を書いてみようと思いたつ。六歳の時に見た絵草紙の話に始り、寄宿舎で上級生を避け、窓の外へ逃げた話、硬派の古賀、美男の児島と結んだ三角同盟から、はじめて吉原に行った事まで科学者的な冷静さで淡々と描かれた自伝体小説であり掲載誌スバルは発禁となって世論をわかせた。 棚の整理をしていたら、筑摩書房の『現代文学大系4・森鷗外集』が出てきた。大学時代に古書店で買ったものだ。 パラパラめくってみると、ところどころ鉛筆のマークがあり、読んだ形跡が確かにある。にもかかわらず、どれも内容に関してあんまりおぼえていないので、自分でも呆れる。漱石はストレートに好きだが、

    『ヰタ・セクスアリス』(新潮社) - 著者:森 鴎外 - 中野 翠による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2021/05/10
  • 『団地の空間政治学』(NHK出版) - 著者:原 武史 - 鷲田 清一による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    高度成長期に燦然と輝いていた団地文化とは何だったのか?香里団地、ひばりケ丘団地、常盤平団地など、東西の大団地をフィールドワークし、埋もれた資史料を調査した著者が、躍動する団地自治の… 高度成長期に燦然と輝いていた団地文化とは何だったのか?香里団地、ひばりケ丘団地、常盤平団地など、東西の大団地をフィールドワークし、埋もれた資史料を調査した著者が、躍動する団地自治の実態と住民の革新的な政治意識を明らかにする。さらに沿線の鉄道からの影響や、建築・設計上の特徴をも考察し、団地をアメリカ的ライフスタイルの典型と捉える従来の史観に再考を迫る。今日の団地の高齢化や孤独死問題が生じた淵源を、コミュニティ志向の衰退と個人主義台頭の歴史に探り、知られざる政治思想史の一断面を描出する画期的論考。

    『団地の空間政治学』(NHK出版) - 著者:原 武史 - 鷲田 清一による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2020/07/31
  • 『メイプルソープ』(新潮社) - 著者:パトリシア・モリズロー 翻訳:田中 樹里 - 四方田 犬彦による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:パトリシア・モリズロー翻訳:田中 樹里出版社:新潮社装丁:単行(393ページ) ISBN-10:4105405012 ISBN-13:978-4105405014 内容紹介: 完全なる瞬間を写し取る天才的感性とタブーなき同性愛美学を融合し、写真の域を超えたアート界の寵児となりながら、エイズにより早世した写真家ロバート・メイプルソープ。その苛烈な生涯を彼自身の声と綿密な取材で明かす。悪魔的なまでの成功願望、ドラッグや同性愛SMへの凄まじい耽溺、魂の恋人パティ・スミスとの交流等、美と欲望に憑かれた男のポートレイト。 ロバート・メイプルソープは、日ではきわめて不幸な形で紹介された写真家だった。まず彼は心もとないニューヨーク風俗写真評論家によって、女性ボディビル・モデルのリサ・ライオンの座付き写真家として紹介された。90年代初頭に東京目黒の庭園美術館で開かれた、最初の大がかりな回顧展では

    『メイプルソープ』(新潮社) - 著者:パトリシア・モリズロー 翻訳:田中 樹里 - 四方田 犬彦による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2020/06/08
    “日本ではどうしてここまでゲイ問題を含めて広潤な伝記が書かれないかという事実 メイプルソープといえば、ソニック・ユースやスワンズのジャケに写真が使われたロック写真家というイメージだったが
  • 『ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法』(DU BOOKS) - 著者:冨田 恵一 - 栗原 裕一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:冨田 恵一出版社:DU BOOKS装丁:単行(296ページ)発売日:2014-07-18 ISBN-10:4907583095 ISBN-13:978-4907583095 この「作法」は著者の「挑発」1冊を費やしてたった一枚のアルバムを分析題名の『ナイトフライ』は、スティーリー・ダンのメンバーであるドナルド・フェイゲンが82年に発表した初ソロ・アルバムのタイトルから取られている。1冊を費やして、たった1枚のアルバムを分析したなのだ。 著者の冨田恵一は音楽評論家ではない。冨田ラボ名義での活動のほか、多数プロデュースも手掛ける音楽家・音楽プロデューサーである。 音楽に関する分析というと想起されるのはアナリーゼ(楽曲分析)であり、複雑なコード進行が代名詞のスティーリー・ダンなら尚更だろう。冨田ラボなんてまさに適任だ。 だが、楽曲分析は書のごく一面に留まる。譜面もほとんど登場しない。

    『ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法』(DU BOOKS) - 著者:冨田 恵一 - 栗原 裕一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2020/04/22
  • 『ダンボールハウス』(ポプラ社) - 著者:長嶋 千聡 - 鷲田 清一による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:長嶋 千聡出版社:ポプラ社装丁:単行(131ページ) ISBN-10:4591088308 ISBN-13:978-4591088302 内容紹介: 小屋型、テント型、小屋+テント型、モノ構造体型、寝袋型、キャンピングカー型、無セキツイ型、ロープ型。人の数だけ、家がある。ダンボールハウス研究家による、お宅拝見レポートの決定版。 変化し続ける路上生活者住居の記録路上生活者のハウスの、2年9か月をかけた調査記録である。グラフや数字ではなく、手書きのスケッチと図面と文章で、住人の住まい方、建築仕様が描かれる。生活費0円に近い暮らしをしている人びと、延べ70件の記録だ。 はじめは「要注意人物」なので、うろちょろしてまず顔を覚えてもらい、豚足を肴(さかな)に酒を酌み交わしもしながら、1週間から1か月かけて訪問許可をもらう。 工法には、テント型、小屋型、寝袋型、ツーバイフォー型、モノ構造体型、

    『ダンボールハウス』(ポプラ社) - 著者:長嶋 千聡 - 鷲田 清一による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2020/04/06
  • 『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社) - 著者:高橋ユキ(タカハシユキ) - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:高橋ユキ(タカハシユキ)出版社:晶文社装丁:単行(292ページ)発売日:2019-09-25 ISBN-10:4794971559 ISBN-13:978-4794971555 「いったい、この村はなんなのだ」――二〇一三年七月、わずか一二人が暮らす山口県の限界集落で、一晩のうちに五人が殺害される事件が発生。その集落で唯一、他の村民と交流せず、決まった時間に窓を大きく開け放って歌声を響かせていた「カラオケの男」。凶行に及んだ男は、家のガラス窓に貼り紙を残していた。 「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」。この不審なメッセージは犯行予告と捉えられていたが、真相は異なっていた。犯人は「集落の村人たちから〝村八分〟にされていたのではないか」との疑いを抱えながら、著者は現地を繰り返し訪問する。限られた人々から、無数の噂が流れ込んでくる。 そして浮上する、別の放火事件。かつて存在していたという「夜

    『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社) - 著者:高橋ユキ(タカハシユキ) - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2019/12/09
  • 『薬物依存症』(筑摩書房) - 著者:松本 俊彦 - 斎藤 環による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:松 俊彦出版社:筑摩書房装丁:新書(350ページ)発売日:2018-09-06 ISBN-10:4480071725 ISBN-13:978-4480071729 必要なのは適切な治療と回復支援書は薬物依存症臨床の第一人者による、一般向け解説書の決定版である。著者の松は国立精神・神経医療研究センターの勤務医として、依存症の臨床ならびに啓発活動に長年関わってきた。薬物依存症の治療プログラム「スマープ(SMARPP)」の開発と普及という貢献をはじめ、精神医療の周辺に追いやられがちな依存症臨床の現場で八面六臂(ろっぴ)の活躍を続けている。 膨大な情報量が詰め込まれた書の中心トピックの一つは「依存症の自己治療仮説」だ。およそ30年前に北米の研究者によって提唱された仮説であるが、依存症臨床にパラダイムシフトをもたらした重要な仮説である。 従来、薬物依存症者は、薬物がもたらす快楽ゆえに依

    『薬物依存症』(筑摩書房) - 著者:松本 俊彦 - 斎藤 環による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2019/09/25
  • 『神戸 闇市からの復興:占領下にせめぎあう都市空間』(慶應義塾大学出版会) - 著者:村上 しほり - 松原 隆一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:村上 しほり出版社:慶應義塾大学出版会装丁:単行(388ページ)発売日:2018-11-06 ISBN-10:4766425669 ISBN-13:978-4766425666 精密かつ大量の調査から描く「闇市」といえば、スクラップ・アンド・ビルドで再開発されたビル群の隙間(すきま)を縫うようにして点在する路地を思い起こす。東京では藤木TDCの『東京戦後地図 ヤミ市跡を歩く』(実業之日社)が活写したような、たとえば新宿駅沿いの「思い出横丁」(俗称・ションベン横丁)や吉祥寺駅北口前の「ハモニカ横丁」である。それらはいまなお店舗が営業中で、外国人観光客をも集めて活況を呈しているが、一方で渋谷の宇田川町のように名残りすら残さないものもある。 対照的なのが神戸である。書が注目する「闇市」は、そのものはたった一年間で失われた。それでいて、お洒落(しゃれ)な都市空間に亀裂のような痕跡を残し

    『神戸 闇市からの復興:占領下にせめぎあう都市空間』(慶應義塾大学出版会) - 著者:村上 しほり - 松原 隆一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2019/08/05
    “それが終戦直後に現JR三ノ宮・元町間の一・二キロメートルにわたる鉄道高架下や南側舗道・緑地帯に出現し、「日本一」の盛況を誇った「三宮自由市場」である。著者はその成り立ちや消滅、その後のゆくえを精密に描
  • 『安楽死を遂げた日本人』(小学館) - 著者:宮下 洋一 - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    NHKスペシャルで大反響! ある日、筆者に一通のメールが届いた。〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉送り主は、神経の難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、… NHKスペシャルで大反響! ある日、筆者に一通のメールが届いた。 〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉 送り主は、神経の難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前に死を遂げたいと切望する。彼女は、筆者が前作『安楽死を遂げた日人』で取材したスイスの安楽死団体への入会を望んでいた。 実際に彼女に面会すると、こう言われた。 「死にたくても死ねない私にとって、安楽死は“お守り”のようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」 彼女は家族から愛されていた。病床にあっても読書やブログ執筆をしながら、充実した一日を過ごしていた。その姿を見聞きし、筆者は思い悩む。 〈あの笑顔とユーモ

    『安楽死を遂げた日本人』(小学館) - 著者:宮下 洋一 - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2019/07/27
  • 『ヤンキーと地元』(筑摩書房) - 著者:打越 正行 - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:打越 正行出版社:筑摩書房装丁:単行(304ページ)発売日:2019-03-23 ISBN-10:4480864652 ISBN-13:978-4480864659 頭と体で得た圧倒的「寄り添い」沖縄を見捨てる為政者が「沖縄に寄り添いながら」との言葉を放つ矛盾が繰り返されているが、そもそも、ある土地に「寄り添う」という意思表示だけでは、実像など掴めるはずがない。簡単にわかってくれるな、という声は、素早くわかった気になりたいメディアには浮上しにくい。 「仕事ないし、沖縄嫌い、人も嫌い」と吐き捨てるヤンキーの声から始まる書は、一〇年以上も沖縄の暴走族やヤンキーに文字通り「寄り添い」ながら、やがて、サラ金の回収業、性風俗店の経営、型枠解体業などの仕事に就いていく彼らの声を拾い続けた社会学者による、初の単著だ。 まずは広島で暴走族のパシリとなった著者。少し高めの鮭と昆布のおにぎりを買って

    『ヤンキーと地元』(筑摩書房) - 著者:打越 正行 - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2019/06/22
  • 『幸せではないが、もういい』(同学社) - 著者:ペーター・ハントケ 翻訳:元吉 瑞枝 - 豊崎 由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:ペーター・ハントケ翻訳:元吉 瑞枝出版社:同学社装丁:単行(158ページ)発売日:2002-11-00 ISBN-10:4810202151 ISBN-13:978-4810202151 タイトルにぐっときた。そもそも幸せとは何だろうか、とつきつめて考えてみれば、これが、あなた、なかなかつかみどころがない。結局、幸せな人間などどこにもいないのではないか。禍福は糾(あざな)える縄のごとしと言うけれど、幸福の条件を数えたてるほど不幸の影もくっきりと浮かび上がる、人の生はそのように宿命づけられているのではないか。だとすれば、いっそ「幸せではない」自分と向き合い、なおかつ「が、もういい」とうなずく人の姿を、わたしは美しいと思ってしまうのだ。 これは、ヴィム・ヴェンダース監督作品『ゴールキーパーの不安』や『ベルリン・天使の詩』の脚を書いたことでも知られるドイツ語圏における最も重要な現代作家

    『幸せではないが、もういい』(同学社) - 著者:ペーター・ハントケ 翻訳:元吉 瑞枝 - 豊崎 由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2019/04/05
    書評にも書いてあるが、このタイトルは気になるよな
  • 橋本治(はしもとおさむ) | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    東京都杉並区出身。アイスクリーム屋の息子に生まれる。 東大在学中に、「とめてくれるなおっかさん 背中の銀杏が泣いている 男東大どこへ行く」というコピーを打った東京大学駒場祭のポスターで注目される。イラストレーターを経て、 1977年の小説『桃尻娘』(第29回小説現代新人賞佳作。受賞作は羽村滋『天保水滸伝のライター』。海庭良和『ペナンロード』、五城弥『影姫抄』が橋と同じく佳作であった)を振り出しに、文筆業に転じる。該博な知識と独特な文体を駆使して評論家・随筆家として活躍する一方、古典文学の現代語訳・二次創作にもとりくむ。また、編み物にも才能を発揮。製図を作ってから精密に編み込まれたセーターなどが話題を呼び、「男の編み物」を出版するに至った。編み込まれた題材はデビッド・ボウイのアラジン・セイン、山口百恵、浮世絵など。モデルは糸井重里、野坂昭如、早川タケジらがつとめた。 1984年度のフジテレ

    橋本治(はしもとおさむ) | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2019/01/30
  • 『三びきのやぎのがらがらどん (世界傑作絵本シリーズ)』(福音館書店) - 著者:マーシャ・ブラウン 翻訳:せた ていじ - 俵 万智による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    橋の向こう側の山で、たくさん草をべようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわ… 橋の向こう側の山で、たくさん草をべようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。小さなヤギの機転によって、小さなヤギと中くらいのヤギはトロルから逃げて橋をわたることができました。とうとう、一番大きくて強いヤギがトロルに勝負を挑みます。3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか? がらがらどん、再び「むかし、三びきのやぎがいました、なまえは、どれもがらがらどんといいました」 私が三歳だったころ、大好きだった一人遊びは「を読んでいるふりごっこ」。字はまだ読めないのだが、一冊の絵を丸

    『三びきのやぎのがらがらどん (世界傑作絵本シリーズ)』(福音館書店) - 著者:マーシャ・ブラウン 翻訳:せた ていじ - 俵 万智による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2018/08/11
  • 『アメリカの詩を読む』(岩波書店) - 著者:川本 皓嗣 - 張 競による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:川 皓嗣出版社:岩波書店装丁:単行(604ページ)発売日:1998-12-18 ISBN-10:4000042459 ISBN-13:978-4000042451 内容紹介: 英語の詩を読むのに必要な基的な事項をわかりやすく説明しながら、ポーやロングフェローなどの名詩19編を読み解く。比較文学の方法を駆使して、アメリカ独特の詩の流れをダイナミックにとらえた入門書。 著者はかつて英詩を読むときに、こんながあればいいなと思った。誰も書かなかったから、ついに自ら筆をとることにした。おかげで、われわれは「英詩を隅々まですべてわからせてくれる」を手にすることができた。好きの人々にとって誠にうれしいことである。 英詩とはいっても書名でわかるように、取り上げられたのはアメリカの詩である。時系列に平板に紹介するのではなく、もっとも代表的な詩作を何編かじっくり精読する構成になっている。「代

    『アメリカの詩を読む』(岩波書店) - 著者:川本 皓嗣 - 張 競による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2018/07/08
  • 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    【現地参加・オンライン視聴】2024/11/30(土)19:00-20:30 金原…【現地参加・オンライン視聴】2024/11/30(土)19:00-20:30 金原 瑞人・中西 史子 × 鹿島 茂 『サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命』を読む書評アーカイブサイト・ALL REVIEWSのフ… 【現地参加・オンライン視聴】2024/10/30 (水) 19:00 -20:30 …2024/10/30 (水) 19:00 -20:30  華雪×豊崎 由美 、ジュンパ・ラヒリ『わたしのいるところ』(新潮社)を読む書評アーカイブサイト・ALL REVIEWSのファンクラブ「ALL REVIEWS 友の会」の特典対談番組「月刊ALL REV… 【アーカイブ視聴可能】2024/09/26 (木) 19:00 -20:30 古川 日…2024/09/26 (木) 19:

    好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    kiku72
    kiku72 2017/07/05
  • 1