「いらっしゃい。どうぞ入ってください」 メルボルン都心部にあるダニーの自宅。木々が茂る前庭で満面の笑みを浮かべ、手を振って私たちを迎え入れてくれた。かわいいプードル犬のルビーが撫でてもらおうと、足の間を縫って歩く。草花やサボテンが植わった鉢の間には「犬の足跡のない家はホームとは呼べない」という立札が見える。 ダニーが家の中を案内してくれた。4ヵ月前に入居して以来、いろいろと手を入れて、彼女の楽園を作り上げたのだ。手工芸品やチャリティショップの掘り出し物など、彼女にとっての宝物が飾られ、とても魅力的だ。 台所ではタイカレーが弱火にかけられている。ヘルシーな食べ物を買って保存し、料理をすることができる。そんな小さなことが大きな違いを生むとダニーは言う。洗濯をする時にも、洗濯物を盗まれないかなどと心配する必要がない。友人を家に呼べるし、自分だけの鍵の束がある。 「ドアに鍵をかければ安全だと思える