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ブックマーク / honz.jp (38)

  • 『あなたがあの曲を好きなわけ 「音楽の好み」がわかる七つの要素』「好みの違い」はこわくない - HONZ

    あなたがあの曲を好きなわけ: 「音楽の好み」がわかる七つの要素 作者: スーザン・ロジャース,オギ・オーガス 出版社: 化学同人 発売日: 2024/3/26 音楽は好きでも、音楽の話をするのはわりと苦手だったりする。 自分が微妙だと思うアーティストを好きと言われたら返答に困るし、一見好みが近いように見えても実は「良い」と感じているポイントが全然違って噛み合わないこともある。 同じ曲を聴いても、人によってなぜこれほど感じ方が異なるのか。自分が大好きな曲があの人の琴線には触れず、あの人が最高だと言う曲はなんだかピンとこない理由はどこにあるのか。そんな謎を解くヒントを授けてくれたのが書である。 聴き方の違いとしてときどき目にするのが「歌詞重視かメロディー重視か」問題である。自分の場合は歌詞よりも断然サウンドの方に意識が向きがちで、どんなに歌詞が評価されていようが音が好みじゃない曲はハマりきれ

    『あなたがあの曲を好きなわけ 「音楽の好み」がわかる七つの要素』「好みの違い」はこわくない - HONZ
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    kiku72 2024/07/15
  • 『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ

    死の貝:日住血吸虫症との闘い (新潮文庫 こ 28-2) 作者: 小林 照幸 出版社: 新潮社; 文庫版 発売日: 2024/4/24 小林照幸『死の貝 日住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版されたが、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸のを”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化されたのも20年以上時間が経ってからだし、こんなに注目されることってある?と不思議になりました。どうして突然文庫化されたんですか? 小林 それは新潮社さんからご説明頂きましょうか。 編集部 もともと新潮社の営業部と未来屋書店で、月に一回、情報交換の定例会議をしています。そのなかで女性書店員さんが「そういえ

    『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ
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    kiku72 2024/07/01
    “累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版された本が、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。”
  • 『最強のコミュ力のつくりかた』コミュ力とは人としての魅力なのだ - HONZ

    皆さんはコミュ力に自信がおありだろうか?もしそれほど自信がないのであれば、書の冒頭に記されている言葉はかなり衝撃的なはずだ。書はこのような書き出しから始まる。 あなたの言葉が伝わらないのは、あなたに人としての“魅力”が欠けているからである。 どうであろうか。バットか何かでぶん殴られたような衝撃を受けないだろうか?かく言う私もコミュ力が低いことを自認しているため、書の冒頭部分を読んだだけで、KO負けしたかのようなダメージをらった。何しろお前には人としての魅力が欠けていると言われているのだ。これほどの攻撃力ある言葉もなかなか無いではないか。しかも厄介なのは、これが個人の経験のみで書かれた自己啓発ではないということだ。書はサイエンスジャーナリスト鈴木祐がコミュニケーションに関する科学データ3128個を精読し導き出した帰結なのだ。某論破王気取りで「それって、あなたのかんそうですよね」な

    『最強のコミュ力のつくりかた』コミュ力とは人としての魅力なのだ - HONZ
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    kiku72 2024/05/28
  • そうだ、インド・ネパール料理店へ行こう!『カレー難民の謎 日本を制覇するインネパ』 - HONZ

    不思議だと思っていた。にぎやかな下町に住んでいるとはいえ、徒歩圏内に「インド料理店」が五軒もある。うち一軒はビリヤニなどもメニューにあるホンモノのインド料理店だけれど、他の四軒は「インド・ネパール料理店」で、メニューも値段もえらく似通っている。 さらに不思議に思ったこともある。ちょうど5年前、トレッキングでネパールへ行った時にわかったのだが、カレーがほとんど出てこない。代わりによくべた、というよりべさせられたのはダルバートだ。豆(ダル)のスープと米(バート、もちろんインディカ種)がメインで、そこにカレーに似た、といってもそれほどスパイシーではないタルカリというのがついていて、アチャールという漬物や薬味が添えられている。トレッキングのガイドさんたちは毎ダルバートばかりべていた。 ずいぶんと前だが、日の「インド料理店」はほとんどがネパールの人によって経営されていると聞いたことがある。

    そうだ、インド・ネパール料理店へ行こう!『カレー難民の謎 日本を制覇するインネパ』 - HONZ
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    kiku72 2024/04/27
  • あれから10年。『「笑っていいとも!」とその時代』が示す未来。 - HONZ

    あれから10年です。 国民的人気番組だった『笑っていいとも!』が約32年間の歴史に幕を閉じた日から、きょう(2024年3月31日)で、ちょうど10年です。 社会学者として、これまでに多くのテレビ論、アイドル論をものしてきた太田省一さんの最新刊は、あの番組を、ただ懐かしむだけではありません。 タモリとはどんな存在なのか。新宿とはどんな街なのか。そして、テレビの未来、さらには、戦後民主主義の理想まで、やさしいことばで解き明かしてくれています。 あの番組の舞台「スタジオアルタ」があった「新宿アルタ」(東京・新宿駅東口駅前)について、先日、所有する三越伊勢丹ホールディングスが、その営業を2025年2月28日で終了すると発表しました。 また、ちょうどこの3月で、「ブラタモリ」のレギュラー放送が終わりました。 あれから10年が過ぎ、時代が変わるなかで、もうタモリは、テレビの第一線から身を引いてしまうの

    あれから10年。『「笑っていいとも!」とその時代』が示す未来。 - HONZ
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    kiku72 2024/03/31
  • 先月出た本 2024年2月 - HONZ

    冬はどこに行っちゃったの!と言いたくなるような暖かい日が続く2月でした。新学期に向けて、いろいろなジャンルで動きが激しくなってきています。特に投資をめぐる動きは非常に大きく、バブル超えの日経平均や新NISAへの流入などが連日ニュースとして報じられています。とすると気になってくるのが株式市場を支える側の人たちの姿。ということで、今回最初に注目したのが金融ノンフィクションの『TRILLIONS(トリリオンズ)』。

    先月出た本 2024年2月 - HONZ
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    kiku72 2024/03/04
  • これから出る本 2024年3月 - HONZ

    ビル・ゲイツは毎年、自身のブログ「Gates Notes」で、夏や冬の休暇時期に読む数冊をオススメしてくれています。これからの世界を読み解くための、今の世の中を考えるが多く紹介されており、ノンフィクション読みとしては必読のコーナーになっています。ただ、紹介されたを邦訳で読めるまでには時間がかかりがちなのですが、今年は大変ラッキーなことに紹介された3点のうちの1冊『細胞』がすでに邦訳され、もう1点の『Invention and Innovation』も早くも邦訳されてきます。

    これから出る本 2024年3月 - HONZ
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    kiku72 2024/02/19
  • 先月出た本 2024年1月 - HONZ

    芥川賞・直木賞が決定し、屋大賞のノミネート作品も発表。1月は小説の売れ行きがよい1ヶ月となりました。また、新NISAのスタートも相まってか、お金投資に関するがよく動いているようです。ではノンフィクションではどんなが登場しているのでしょうか。 大きな話題となったのが、映画化の原案としても話題の『オッペンハイマー』でしょう。米国で公開された映画の日公開が3月に決まり、以前刊行されていた作品が文庫になって再登場しました。上中下巻の3冊での登場です。

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    kiku72 2024/02/05
  • 『n番部屋を燃やし尽くせ』デジタル性犯罪を暴け! - HONZ

    n番部屋を燃やし尽くせ デジタル性犯罪を追跡した「わたしたち」の記録 作者: 追跡団火花 出版社: 光文社 発売日: 2023/10/24 書を読み始めてすぐ、これは映画やドラマ化のオファーが殺到するのではないかと思った。映像化された際の宣伝文句はおそらく次のようなものだろう。 「韓国社会を震撼させた『n番部屋事件』。前代未聞のデジタル性犯罪の実態を暴いたのは2人の女子学生だった!」 卑劣な犯罪に立ち向かう女子学生のバディもの。さぞや痛快な物語に仕上がるのではないか。 だが、読み進むうちに考えが変わった。これはなまじの映像化に向くテーマではない。犯罪の内容があまりにひどすぎるからだ。吐き気を催すような鬼畜の所業になんども目を背けたくなった。 「n番部屋事件」とは、2019年から2020年にかけて、匿名性の高いメッセージアプリ「テレグラム」内のチャットルームを使い、未成年者を含む女性の暴行

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    kiku72 2023/11/21
  • これから出る本 2023年12月 - HONZ

    いよいよ年の終わりが見えてきました。年末年始は重厚なノンフィクションの読み時、ということで今年も多くのが出版されそうです。 12月のはじめには『大阪の生活史』が登場します。この姉妹版とも言える『東京の生活史』はベストセラーになったほか、多くの賞も授賞し話題になりました。150の人が聞き、語った膨大なインタビュー集。人の経験やまなざしを通じて大阪という街が描かれていきます。 せわしない12月という月に少しずつ読むのにこれほど適したもないかもしれません。 大阪の生活史 (単行 –) 出版社: 筑摩書房 発売日: 2023/12/1 気になる多数だった12月発売予定の新刊から、いくつかピックアップして紹介していきます。 メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生 作者: ピーター・ゴドフリー=スミス 出版社: みすず書房 発売日: 2023/12/19 どこか既視感のあるだなと思ったら

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    kiku72 2023/11/20
  • 『続 窓ぎわのトットちゃん』続編はパパとママの話から 少女から大人へ - HONZ

    続 窓ぎわのトットちゃん 作者: 黒柳 徹子 出版社: 講談社 発売日: 2023/10/3 1981年に刊行された『窓ぎわのトットちゃん』は現在まで読み継がれ空前のベストセラー、ロングセラーとなっている。日人のほとんどが「トットちゃん」は黒柳徹子のことだと知っているってすごいことだ。 さらに芸歴70年で今も第一線で活躍し、冠番組の「徹子の部屋」は2023年9月に、同一司会者によるテレビ番組最多放送のギネス記録を更新した。黒柳徹子さんは生ける芸能史そのものなのだ。 前作の『窓ぎわのトットちゃん』は普通の小学校には馴染めないちょっと風変わりな女の子である徹子が、両親の愛とトモエ学園という自由な学校に育まれて伸び伸びと育っていく姿を描いていた。 42年ぶりの続編はパパとママの話から始まる。日を代表するヴァイオリニストの黒柳守綱が東洋音楽学校に通うママと出会ったのがベートーベン第九交響曲の演

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    kiku72 2023/11/07
  • 『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ

    2022年度の新聞・通信社における女性記者の割合は男性の4分の1弱である(一般社団法人日新聞協会調べ)。放送業界は多少マシな気もするが、それでもメディアが圧倒的に男性中心であることは変わらない。現代ですらそんな体たらくなのだから、戦前なんて推して知るべし。女性記者(当時は「婦人記者」といった)は各社片手で数えられるほどしかいなかった。 婦人記者という新たな職業が生まれたのは、明治20年代だという。女性読者の増加に伴い、女性向けの記事が求められ、東京や大阪の有力新聞が女性を採用するようになった。 とはいえ、のっけから婦人記者が活躍できたわけではない。女性向けの記事といっても、アイロンのかけ方、シミの抜き方といった家政記事か、政治家や実業家のお宅に赴き、奥様方に普段の生活や子どもの教育法などについてインタビューする名流婦人訪問記などがメインだった。 「号外に 関係のない 婦人記者」と当時の川

    『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ
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    kiku72 2023/06/29
  • 楽しくて、切なくて、愛おしい『アレックスと私』 - HONZ

    作者:アイリーン・M・ペパーバーグ ,Irene Maxine Pepperberg 出版社:早川書房 発売日:2020-10-01 「全米が泣いた!」――ひと昔前のハリウッド映画の陳腐な宣伝のようだが、書はアレックスの死によってまさに「全米が泣いた」場面から始まる。ニューヨーク・タイムズ紙をはじめ、さまざまなメディアが彼の訃報を伝え、著者のもとには多くの悲しみの声や励ましの言葉が寄せられた。 書は、科学者の著者と、彼女の30年来の研究パートナーであるアレックスとの回想録である。……と言っても、アレックスは人間ではない。彼は、ヨウムという鳥だ。 ヨウム(洋鵡)をご存知だろうか? もとはアフリカに生息する大型のインコの仲間で、知能が高く人間の言葉をよく覚えるため、ペットとしても人気がある。最近の話題としては、イギリスの動物園で展示されていた5羽のヨウムがお互いを汚い言葉で罵り合い、来園者

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    kiku72 2023/03/31
  • 『語学の天才まで1億光年』超絶面白い語学本! - HONZ

    表紙をみて思わず笑ってしまった。1光年は、光の速さで1年かかる距離だ。1億光年は1億年である。にもかかわらず表紙に描かれた人物は、遥か彼方の目的地にのんきにカヌーで向かおうとしている。 だが笑った後で、はたと気づいた。言語の習得というのは、まさしくカヌーを漕ぐような行為なのではないか。前に進むかどうかは自分次第。しかも目標に到達するまで気の遠くなるような時間がかかる。そう考えると、いたく説得力のある表紙にも見えてくる。 書は、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かないを書く」ことをポリシーに、「辺境ノンフィクション」という独自のジャンルを切り拓いてきた著者による語学体験記である。同時に極めて実用的な言語学習の参考書でもある。語学をめぐる面白すぎるエピソードと、現場でとことん使える実用的知識との融合。あまりにユニーク過ぎてちょっと類書が思い浮かばない。唯一無二の語学

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    kiku72 2022/09/09
  • 『未解決事件 グリコ・森永事件 捜査員300人の証言』 - HONZ

    あれから34年――。グリコ・森永事件と聞くだけで、今もって重苦しい嫌な気分になる。様々な出来事、想い出とともに、結局は未解決に終わってしまったからだ。事件の真相も、「かい人21面相」も、闇に消えた。無念である。私は事件当時、読売新聞大阪社で大阪府警捜査一課担当の記者だった。以来、持ち場や部署が変わろうと、どんな異動があろうと、完全時効が成立するまでの16年間、ずっと事件を追ってきた。時間が経過する中でにじみ出てくる新事実もあると、時効成立後も取材を続けた。欠けたる事件像を自分なりに少しでも肉付けしたいと、退職後の今も取材を続けている。 そんな中、NHKスペシャル取材班『未解決事件 グリコ・森永事件 捜査員300人の証言』が文庫化されることになった。実に喜ばしい。それは決して事件を風化させてはならないからだ。私もそのテレビ番組などに若干なりとも協力させていただいただけになおさらである。

    『未解決事件 グリコ・森永事件 捜査員300人の証言』 - HONZ
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    kiku72 2022/07/13
    “犯人を取り逃がした滋賀県警のパトカー乗務員は、焼身自殺した本部長の葬儀で男泣き”片山さつきがおおっぴらに奈良県警に責任をなすりつけるようなツイートして心配
  • 友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』 - HONZ

    ヒトの進化において「協力的なコミュニケーション」が大きな鍵を握ったであろうことは、たびたび指摘されるところである。人がひとりでできることは限られている。単独で野生動物を狩ろうとしても、得られるのはせいぜいウサギくらいだろう。しかし、ほかの人と協力すれば、わたしたちはシカだって野牛だって狩ることができる。また、ほかの人と情報交換すれば、わたしたちは新たな技術などについて伝えあうことができる。というように、その進化史において、協力的なコミュニケーションはヒトに多大なメリットをもたらしたと考えられる。 しかしそれならば、次のような問いがさらに生じても不思議ではないだろう。ヒトはどうやって協力的なコミュニケーションを行うことができるようになったのか。 書は、その問いに対してひとつの回答を与えようとするものである。そして、書が導き出す回答は、原書のタイトル(Survival of the Fri

    友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』 - HONZ
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    kiku72 2022/06/27
  • 『地方メディアの逆襲』共に生きて、共に歩む。これからのメディアのあり方 - HONZ

    記者の仕事は過程がそのまま表に出てくるのが魅力的だ。記者が何に問題意識を持ち、どう行動して、どんなメッセージを込めるのか。好きな報道や作品には、記者の怒りや悲しみ、執念さえも感じることが出来る。記者一人ひとりの存在自体が物語性を帯びていて面白い。 では、「地方紙」の記者はどうか。全国紙の記者と地方紙の記者の違いについて、私は書を読むまで考えたことがなかった。分かったことは、地方紙の記者が抱く怒りや悲しみは、その地域で生きる人々の怒りや悲しみであった。住民と共に生きて、共に歩むからこそ、地方メディアが生かされる。 書は、秋田魁新報、琉球新報、毎日放送、瀬戸内海放送、京都新聞、東海テレビ放送の6社を取り上げる。新聞記者やドキュメンタリー制作者などのメディアの担い手に取材を行い、社内の意思決定の過程も含めて「地方メディアのリアル」を描いた作品だ。 地方紙の記者には、地元の人間もいれば、大都市

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    kiku72 2022/02/17
  • 『東京ルポルタージュ』東京の「いま」がわかる31の物語 - HONZ

    今年は異常な年だった。いや、昨年に続いて、というべきかもしれない。 「あっという間に年末ですね」「なんだか1年が終わる手応えがないですよね」同じような会話を1年前も交わしていたような気がする。 2020年と2021年は、疫病とオリンピックの年として記憶されるだろう。 パンデミックと祭典は私たちに何をもたらしたか。書はコロナ禍とオリンピックに揺れた日々を、東京に生きる人々を通して描いたルポルタージュである。 とにもかくにも著者の熱量がびんびんに伝わってくる一冊だ。この歴史の特異点のような年に何が起きたのかを、余さず記録してやろうというジャーナリストの気合がみなぎっている。文字どおり著者は東京中を駆け回ってさまざまな人に話を聴いている。有名無名を問わず、また老若男女も問わず、書におさめられた31のエピソードに登場するのは、まぎれもなく私たちと同じ時代を生きる人々だ。 著者についてはネットメ

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    kiku72 2021/12/16
  • 『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』は、こわいもの知らずのぶつかり稽古だ! - HONZ

    『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』は、こわいもの知らずのぶつかり稽古だ! 自民党総裁選のニュースが連日報じられている。前回に比べれば、四人が立候補して政策論戦が交わされているのは望ましいことだ。しかし、報道はいつもどおり、政治内容そのものよりも政局に偏っている。政治は何のためにあるのか。それこそが重要問題であるはずなのに、真っ正面から問われることはあまりない。 ライターの和田靜香が、立憲民主党の衆議院議員である小川淳也にそれを問う。ん?誰やねん、その和田靜香と小川淳也って?と思う人がほとんどだろう。失礼ながら、確かに有名とは言いがたい。だからといって、面白くないとは限らない。それどころか、これほど活き活きして、わかりやすく、そして、魂に触れる政治対話はこれまでに読んだことがない。 和田靜香は湯川れい子のアシスタントになったのをきっかけに音楽ライターに

    『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』は、こわいもの知らずのぶつかり稽古だ! - HONZ
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    kiku72 2021/09/27
  • 『令和元年のテロリズム』令和日本のいびつな自画像 - HONZ

    ひとつの犯罪が時代を象徴することがある。 令和元年(2019年)5月28日、朝7時40分頃、小田急線とJR南武線が交差する登戸駅近くで、男がスクールバスを待っていた児童や保護者らを次々と包丁で刺した。男は終始無言で凶行に及び、20メートルほど走って逃げた後、突然自らの首を掻き切り絶命した。この間わずか十数秒だった。 犯人によって小学6年生の女の子と39歳の保護者の男性が命を奪われた。また17名の児童と保護者1名が切りつけられ、このうち女児2名と保護者は重傷を負った。これが令和の幕開けに社会を震撼させた「川崎殺傷事件」(川崎市登戸通り魔事件)である。 この事件が「令和元年」を象徴しているというと驚く人がいるかもしれない。わずか2年前のことなのに事件は早くも世間の記憶から薄れつつあるようにみえるからだ。そもそもあなたはこの事件の犯人の名前を覚えているだろうか?また当時、著名人がメディアで発した

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    kiku72 2021/06/01